4階級制覇に挑む井岡一翔が海外でさらなるビッグマッチ計画
大晦日に中国・マカオのホテルで行われるWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で日本人初となる4階級制覇の偉業に挑む同級3位、井岡一翔(29)が、さらなる海外でのビッグマッチを計画していることが明らかになった。 井岡は27日、現地マカオで練習を公開。相手の同級1位、ドニー・ニエテス(36、フィリピン)も4階級制覇を狙うビッグネームだが「新たな歴史を作る。それは僕しかない」と改めて4階級への決意を口にした。 ニエテスは、47戦41勝(23KO)1敗5分の戦績を誇る強敵だが、井岡は日本人初の4階級制覇だけで満足するつもりはない。金字塔を達成後も海外に拠点を置いたままビッグマッチ路線を継続していく考えを固めているのだ。 この試合の勝者は、1月に行われる予定の同級2位、アストン・パリクテ(27、フィリピン)と、同級4位、ホセ・マルチネス(26、プエルトリコ)の間で争われる挑戦者決定戦の勝者との指名試合が義務づけられている。パリクテは、井岡も参戦した9月の「スーパーフライ3」でニエテスとWBO同級王座決定戦を戦ったがドローに終わっていた。 井岡がタイトルを保持するためには、その試合をクリアしなければならないが、見据えているのは、海外での他団体王者との統一戦、或いは王者と同等レベルの強豪とのビッグマッチだ。 現在、スーパーフライ級の他団体王者は、WBAがカリド・ヤファイ(29、英国)、WBCがシーサケット・ソールンピサイ(32、タイ)、IBFがジェルウィン・アンカハス(26、フィリピン)で、いずれも防衛を重ねている強豪のチャンピオン。 ヤファイは、この大晦日に当初、井岡が4階級制覇のターゲットにして交渉に入っていた相手で、11月にモナコ・モンテカルロで同級14位、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)を相手に4度目の防衛に成功している。大手プロモーター、エディー・ハーン氏の契約選手で、ファイトマネー、ビジネスの枠組みの作り方次第では統一戦実現の可能性がある。 もうひとつの可能性が「スーパーフライ4」という舞台だ。軽量級に光を当てた「スーパーフライ」シリーズの1、2、3を支えてきた米国大手ケーブルテレビの「HBO」が年内でボクシングから撤退。「スーパーフライ」シリーズの頓挫が噂されているが、このイベントを主導してきた「360プロモーションズ」のトム・ローフラー氏が、新たな放映局をみつけて継続の可能性を探っている。もし「スーパーフライ4」が実現する場合、9月の「スーパーフライ3」で1年4か月ぶりの復帰戦をWBC世界スーパーフライ級シルバー王者のマクウィリアムズ・アローヨ(33、プエルトリコ)と戦い、顔を腫らす激闘の末に判定勝利、評価をアップさせた井岡が、同イベントの主役の一人として抜擢される可能性が高い。