日本のピッツァの概念を変える新たな挑戦! 才能あふれる若きピッツァイオーロの展望に迫る
本田直之グルメ密談―新時代のシェフたちが語る美食の未来図
食べロググルメ著名人として活躍し、グルメ情報に精通している本田直之さんが注目している「若手シェフ」にインタビューする連載。本田さん自身が店へ赴き、若手シェフの思いや展望を掘り下げていく。連載第11回は東京・北千住にあるピッツェリア「TOMMY PIZZA」のオーナーシェフの冨永英嗣シェフ。ピッツァ修業のために渡ったイタリアで出会った新しい潮流「ピッツァ デグスタツィオーネ」に衝撃を受け、その真髄を学ぶ。帰国後、最新のピッツァスタイルを広めるべく日々奮闘している新進気鋭のピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の未来の展望とは?
ピッツァに魅せられ、渡ったイタリアでの武者修行の日々
本田:Tommy、よろしく。プロフィールから教えてください。
冨永:大学生の時、アルバイト先でピッツァの楽しさを知りました。その後、飲食業界に就職したんですが、やはりピッツァを、それも本場を知りたいと思うようになって、イタリアに行く決心をしました。当時、大学の先輩が恵比寿の「マジカメンテ」で働いていて、そこの佐藤シェフからローマ在住の「Bistro 64」の能田シェフを紹介してもらって、さらにシェフの友人を通じてピッツァスクールに通える手筈を組んでいただきました。
本田:そこから会社を辞めて、イタリアに渡ったと。 冨永:最初に学んだシェフが、ローマ近郊に店があるジュゼッペ・クラベーロさん。世界大会で受賞歴があるトップレベルの職人です。そこでは生地を長期発酵させる、クラシックなスタイルを学びました。その後、2店舗目がマルコ・マンツィさんがシェフを務めるフィレンツェの「Giotto Pizzeria-Bistrot(ジョット・ピッツェリア・ビストロ)」。マンツィさんは「ガンベロロッソ」という有名なイタリアのグルメガイドで最高賞「トレ・スピッキ(Tre spicchi)」を何年も取り続けていたり、「50 Top Pizza」に選出されたりもするトップシェフです。そこでは現在取り組んでいる高加水の生地を学びました。