実家暮らしの息子が”無職のまま”夫が定年を迎えることに…。「月20万円」の年金と「1000万円」の貯金だけで息子の面倒をみれるのでしょうか?
息子さんが退職して無職になり、続いてご主人が定年を迎えるというライフスタイルの変化が続くと、家族関係やお金の面など考える機会が増えますよね。特に、実家暮らしで無職の息子がいる場合、長期的に面倒をみるべきかどうかは難しい問題です。 そこで今回は、親子3人で生活する際にかかる支出や受け取れる年金額などを提示しながら、年金と貯金で生活できるのかを解説します。収入が減った状態で息子の面倒をみられるのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
親子3人、1ヶ月に必要なお金はいくら?
総務省統計局の「家計調査 家計収支編 2023年」によると、無職の3人世帯における1ヶ月の平均支出額は表1の通りでした。
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 2023年」を基に筆者作成 夫が定年を迎えて年金生活になることから無職の3人世帯を想定すると、表1より月の支出金額は31万7421円、年間380万9052円となります。ただし、表1の金額は世帯人員すべての年齢を指定できるわけではないため、あくまで目安金額である旨を理解しておきましょう。 仮に息子の面倒をみずに65歳以上無職の夫婦のみで生活した場合、同じく総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」より、1ヶ月の支出金額は、非消費支出3万1538円と消費支出25万959円の合計28万2497円となります。 夫婦以外にもう1人世帯人数が増えると、夫婦だけに比べて月3万4924円、年間で41万9088円出費が増加する可能性があることが分かります。 この金額はあくまで平均値のため、家庭の状況によって金額に差が生じる可能性がありますが、夫婦だけの生活に比べてお金がかかることは頭に入れておきましょう。
定年後に受け取れる年金額は?
日本年金機構によると、国民年金保険料を満額納めた場合の老齢基礎年金(満額)は令和5年度で月額6万6250円です。また、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金額は令和5年度で月額22万4482円、年間にすると269万3784円です。 厚生年金の金額は、平均的な収入(43.9万円)で40年間就業した場合の給付水準のため、収入や勤続年数によっては少なくなったり多くなったりする場合があります。