間近で「アメリカ軍の兵士」に銃を向けられた…日本の国土は、「すべて米軍の治外法権下」にある「ヤバすぎる現実」
信じがたい現実
この高江のヘリパッド建設計画がいかにおかしなものであるかは、反対運動をしている人たちの次の言葉によくあらわれています。 「本土だったら、マンションひとつ建てるのに何度も説明会を開くでしょう。保育園でさえ、周囲の住民が反対したら、できなかったりするじゃないですか。でも高江の人たちは、六つのヘリパッドがオスプレイ用の発着場になるなんて、一度も説明を受けてないんですよ。それなのに乗組員の顔が見えるほどの低空を、もうオスプレイが現実に飛んでいる。激しい騒音や振動で、体調不良の人も出ている。こんなメチャクチャな話がありますか。もし自分の家の近くにそんなものができたらって、少し想像してみてください」(ネット・ジャーナリストの大袈裟太郎氏) 日本の航空法は、航空機は人口密集地ではもっとも高い建物から300メートル以上の上空を、人口密集地以外では地上から150メートル以上の上空を、それぞれ飛ばなければならないと定めています。 しかし第1章で述べた通り、米軍機に航空法の最低高度の規定は適用されません。なんと米軍の訓練マニュアルでは、オスプレイ(MV22)は最低高度60メートルでの訓練が想定されており、すでに高江では、それ以下の超低空での訓練飛行が日常になっているのです。 さらに最大の問題は、なぜこうしたオスプレイのための新しいヘリパッドが、わざわざ高江の集落をグルリと囲むようにつくられているかというと、それは高江の住民や家屋を標的に見立てた軍事訓練を行うためなのです。 この点だけは、 「さすがにそれは信じられないな」 という方も多いのではないかと思いますが、現地に住む人たちにとってはすでに疑いようのない現実です。 この問題を長年取材してきた、元琉球朝日放送のキャスターで映画監督の三上智恵氏は、こう証言しています。 「オスプレイがやってくる以前から、高江は米軍ヘリの低空飛行訓練の標的になっています。ヘリの窓を開けて、住民たちが座っているところを見ながら、電信柱より少し高いくらいのところをババババッと旋回する。以前は低空飛行するヘリのなかから、兵士の顔がはっきり見えるくらいの距離で銃を向けられた人もいます」