吹きかけるだけで「皮の農薬」がほぼとれる…フルーツ研究家が皮ごと食べるために使う"お掃除アイテム"
■ホタテパウダー使用時の注意点 ホタテパウダー製品の宣伝で農薬とされる油膜は、ホタテパウダー粉末を水に溶かすだけでも出現することがある。 注意点としては、ホタテパウダー粉末は水に溶けると強アルカリ性を示すことと、使用時の粉末の飛散。粉末が目に入ると角膜を傷つけ、吸い込んでしまうと気管などを傷つける恐れがある。 実際に事故報告があるため、(公財)日本中毒情報センターは、子どもの手の届かないところに保管すると共に、使用時には眼鏡やマスクの着用を勧めている。 ■ワックスも「消毒用アルコールで拭く」ととれる ワックスのついた床にアルコールをこぼし、放置しておくと白くなることがある。これは、ワックスがアルコールに溶け出したために起きた現象。 果実の外果皮にも、水分の蒸発などを防ぐためにワックス層がある。残留農薬やフルーツワックスなどが気になるなら、アルコールは安全でしかも食中毒予防にもなるのでオススメ。 ---------- ①キッチンペーパーなどを敷き、上にフルーツをのせて、消毒用アルコール(エタノール)スプレーを全体に吹きかけた後、よく拭き取る。同様に、アルコールがついていない面も吹きかけて拭き取る(引火の恐れがあるので、ガスコンロなどの火気に注意)。 ②水を入れたボウルにつけた後、流水で洗い、水気をよく拭き取る。 ※大きなフルーツの場合は②はやらず、アルコールを吹きかけたキッチンペーパーで全体をよく拭くのがオススメ ---------- 〈引用参考文献〉 ・健康日本21(第三次)推進のための説明資料 令和5年5月/厚生労働省 ・Int J Epidemiol. 2017 Jun; 46(3): 1029–1056. ・Advances in Nutrition, Vol.10(2) 205–218,2019 ・Eur J Epidemiol. 2017; 32(5): 363–375. ・Advances in Nutrition Vol.8(6),793-803, 2017 ・科学的根拠に基づくがん予防/国立がん研究センターWebサイト ・がん予防法の提示 2022年8月3日改訂版/国立がん研究センターWebサイト ・WHO and FAO announce global initiative to promote consumption of fruit and vegetables(2003.11.11) ・Diet, Nutrition, Physical Activity and Cancer The Third Expert Report /WCRF International ・FAO統計Webサイト・Lancet 393(10184): 1958–1972, 2019 ・日本食品標準成分表2020/文部科学省 ・日本人の食事摂取基準2020年版/第一出版 ・国民健康・栄養調査報告2019/厚生労働省Webサイト ・食物アレルギー診療ガイドライン2021/日本小児アレルギー学会 ・アレルギー総合ガイドライン2019/日本アレルギー学会 ・アレルギー疾患ガイドブック2004/東京都福祉保健局 ・鼻アレルギー診療ガイドライン2020/日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会 ・アレルギー Vol.69(8) 701-705, 2020 ・アレルギー Vol.67(2) 129-138, 2018 ・東京都アレルギー情報navi. ・輸入食品等の食品衛生法違反事例/厚生労働省Webサイト ・残留農薬等統計/厚生労働省Webサイト ・農薬概説2020/日本植物防疫協会 ・農薬要覧2019/日本植物防疫協会 ・教えて!農薬Q&A/農薬工業会Webサイト ・村上道夫ら/基準値のからくり/講談社 ・松永和紀/効かない健康食品 危ない自然・天然/光文社新書 ・国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について/農林水産省Webサイト ・アレルギーの臨床 Vol.35(9) 876-879,2015 病害虫被害と生体防御タンパク質 ・食衛誌 Vol.36 No.3, 383-392,1995 果皮及び果肉の残留農薬 ・輸入レモンの防かび剤 残留農薬問題は「正しく恐れる」ことが大事/FOOCOM 2020年8月11日記事 ・輸入オレンジの果皮の防かび剤 効果的な洗浄方法は?/北海道消費者協会資料 ・日食化誌 Vol.3(1),57-63,1996 残留農薬実験 ・Only Spirit of Inquiryあるのは探求心【検証】#8/SITO.ブログ ・Only Spirit of Inquiryあるのは探求心【検証】#9/SITO.ブログ ・ホタテ等の「貝殻焼成カルシウム」製品による事故に注意しましょう/(公益財団法人)日本中毒情報センター ---------- 中野 瑞樹(なかの・みずき) フルーツ研究家、毎日フルーツ200g推進協会代表 1976年和歌山県生まれ。京都大学卒(農学修士)。元東京大学教員(工学部)。元アメリカ国立海洋大気局 客員研究員。学生時代は沙漠緑化の研究に従事。2003年にフルーツのもつ魅力に目覚め、消費啓発活動を始める。「甘いから食べ過ぎに注意!」と言われるフルーツの体への影響を調べるため、2009年9月から実験的に、水もお茶も摂らない「フルーツ中心にほぼ果実だけの食生活」を続ける。「マツコの知らない世界」など、テレビ出演多数。著書に『中野瑞樹のフルーツおいしい手帳』(河出書房新社)。 ----------
フルーツ研究家、毎日フルーツ200g推進協会代表 中野 瑞樹