もう故障に泣かされない!プロ・ランニングコーチ提唱の厚底シューズ時代に欠かせない「体幹ランニング」
2017年、世の中にデビューしたという厚底シューズ。 国内外のトップ選手や日本の大学、実業団の駅伝選手たちに加えて、市民ランナーの間にも厚底シューズの人気は広がりを見せた。 【解説】厚底シューズ×体幹ランニングの基本フォーム 『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』(講談社)の著者で、プロ・ランニングコーチの金哲彦さんは、いまでは「ランニングシューズ=厚底シューズといっても過言ではないほど」だという。 一方で、うまく使いこなせずに故障に泣かされるランナーも少なくないそうだ。金さんが長年提唱する「体幹ランニング」をベースに、厚底シューズの使いこなし方を一部抜粋・再編集して紹介する。
厚底シューズの「体幹ランニング」
厚底シューズが持つ反発力と推進力の恩恵を最大限に受けられる走り方。これこそ私が提唱してきた「体幹ランニング」。 ヒトという生物の動きのメカニズムに即した、マラソンの基本の走り方ともいうべきものです。体幹ランニングでは、骨盤の真下で着地し、足腰と体幹の大きな筋肉でその衝撃を受け止め、推進力へ変えます。 ゆえに、厚底シューズで接地時間が短くなり、瞬時に大きな地面からの反作用(地面反力)が加わっても、それをブレなくコントロールできるのです。
厚底シューズの着地は?
着地はフォアフット(前足部)であるべきかどうかという議論がよく交わされます。結論から言うと、厚底での着地時の足元を安定させるためには、足裏全体で真上から踏み込むミッドフット着地が望ましいでしょう。 厚底シューズは上り坂に適していないとよく言われます。それは適していないというより、上り坂でまず接地するのは前足部のため、カーボンプレートの反発力の恩恵を最大限には受けにくいのです。 ●厚底シューズ×体幹ランニングの基本フォーム 【スタート】 頭からかかとまで一直線にして立つ。猫背にならず、骨盤を前傾。一直線を保って前掲し、倒れそうになったら片足を1歩前に踏み出す。その繰り返しで走る。肩の力を抜き、ひじを後ろに引いて肩甲骨から腕を動かす。 【蹴り出し】 ソールとカーボンプレートが復元するタイミングで脚を後ろへ流し、反対脚を踏み出す。前傾姿勢と骨盤前傾を保つ。骨盤を後掲させて腰を落としたりすると、身体の前で着地してブレーキになり、着地衝撃も有効に使えなくなる。 【着地】 肩甲骨が動くと骨盤が前方へ動きだし、重心がある骨盤の真下で着地。腰とお腹の大きな筋肉でその衝撃を受け止める。足裏全体で真上から踏み込み、ソールを圧縮し、内蔵するカーボンプレートに推進エネルギーを貯める。