絶海の孤島・青ヶ島在住の40歳女性が語る、「日本一人口の少ない村」の“ディープすぎる年末年始”「忘年会では、飼っている鶏を絞めて食べるんです」
初詣の定番は、集落の近くにある「大里神社」か、二重カルデラの内側・丸山の山頂にある「御富士様」です。 青ヶ島には、神主さんやお坊さんはいません。だから、年末年始に神社とお寺で特別なイベントが開かれることもないんです。本土のように年明け前から家を出て、年明けと同時にお参りすることもなく、それぞれ好きなタイミングでお参りしています。
年末年始に、島のお酒「あおちゅう」作りをするワケ
年末年始に、島のお酒「あおちゅう」作りをするのも青ヶ島ならでは。青ヶ島には現在、10人の杜氏がいるのですが、「あおちゅう」作りに欠かせない芋を掘ったり削ったりする作業は、杜氏だけではできません。 そのため、10月頃から年明けの蒸留にかけて、島の人たちでお手伝いをするんです。年が明けて無事完成したら、手伝ったお礼に、杜氏さんたちからできたての「あおちゅう」をプレゼントしてもらえるんですよ。 ちなみに私は普段、YouTuberとして活動したり、配達や実家の民宿の手伝い、観光ガイドをしているのですが、連絡船は12月28日でお休みに入ったので配達の仕事はなく、観光客も来ないから観光ガイドや民宿の手伝いもありません。
餅つきをするために、ほかの家庭にお邪魔することも…
だから、年末年始は昼から家族や友達とお酒を飲んで、まったり過ごしていることが多いです。 あとは、餅つきをしている家庭にお邪魔することもあります。青ヶ島では、各家庭で餅つきをするのですが、餅つきも人手がないと難しい。なので、同居家族が少ない人や単身で青ヶ島にいる人たちは、同居人が多い家庭にお邪魔して一緒に行うことが多いんです。 船は年明けの1月4日から運航を再開しますが、冬の青ヶ島は風が強くて“しけ”も激しいので、予定通り運航するかはわかりません。 年末年始の休みと合わせて運休で長い間船が来ない可能性があるので、年末を迎える前に必要なものを買いだめする人は多いですね。ちなみに私は、年末年始を楽しく過ごすのに欠かせないお酒を買いだめしました。