絶海の孤島・青ヶ島在住の40歳女性が語る、「日本一人口の少ない村」の“ディープすぎる年末年始”「忘年会では、飼っている鶏を絞めて食べるんです」
クリスマスの時期には、島で唯一の小中学校でクリスマスライブも行われます。バンド部に所属している学生の演奏のほか、趣味でバンドをしている大人たち、社会人合唱サークル、青ヶ島の郷土芸能「還住太鼓」クラブのメンバーなど、老若男女問わずたくさんの島の人達が参加し、日頃の練習の成果を披露します。 コロナ禍になって以降、クリスマスライブは一時的に中止になっていたのですが、2023年から復活。毎年恒例の行事として定着していて、島の人たちの楽しみのひとつになっています。
「飼っている鶏を絞めて…」青ヶ島の独特すぎる年末年始の習慣
クリスマスが終わったら、いよいよ年末。青ヶ島でも、もちろん忘年会は行います。私は友達同士でやったり、島の青年会が主宰しているバレーボールチームに所属しているので、そのメンバーと集まったりしています。島には小さな居酒屋が1軒しかないので、大人数での忘年会は民宿の食堂を借りて開催することも。 忘年会には、島寿司などの郷土料理が並びます。あとは、飼っている鶏を絞めて、年末年始に食べる習慣もあります。若鶏ではなく卵を産まなくなった親鶏を使うので肉は固いのですが、旨味があってとても美味しいんですよ。 ちなみに、鶏を絞めるのは誰でもOK。私は苦手なのでやったことはないのですが、移住者で挑戦した人が何人もいますよ。
年末年始は、人口約160人の島から20~30人がいなくなる
そしていよいよ年末を迎えると、青ヶ島から人が少なくなります。12月28日頃から3が日頃までは、ほとんどの民宿がお休みに入るので、観光客がいなくなります。 また、村役場の職員や学校の先生は島外から赴任している人が多いので、この時期は本土へ帰省する人も多いんです。人口約160人の島から20~30人がいなくなるので、年末年始はいつもより静かな気がします。 年が明けたら、本土のように初日の出や初詣に行きます。 初日の出スポットは、「尾山展望公園」が定番。青ヶ島で一番高いところは、外輪山の大凸部(おおとんぶ)と呼ばれる標高423mの場所なのですが、尾山展望公園はそことほぼ同じ高さ。公園から見下ろす海から、少しずつ太陽が姿を現す光景は、まさに絶景です。