【このワンオフ993なんぼ?】日本人オーナーが16年間所有したポルシェ911(993)ターボのワンオフモデルが1億円以上で落札された!
ボディカラーのブレーキキャリパー
オリジナルのホイールとブレーキキャリパーは、車体色(オーシャンブルーメタリック)に塗装された。ポルシェファンは、ブレーキキャリパーが赤や黄色以外の色(黒は数年前に導入されたばかり)であることは絶対的な例外であることを知っているため、注文書には「ブレーキキャリパーは車体色で、もし可能であれば」と記載され、価格にはクエスチョンマークのみが記されていた。 インテリアのカスタマイズも、数ヶ月に及ぶスペシャルリクエスト部門への訪問の間に行われた。実質的に、内装を構成するすべての部品に「ナイトブルー」という色の革が張られた。細部へのこだわりを見ると、ステアリングコラムのレバー、ウィンドウレギュレーター、エアベント、ルームミラー、ラジオパネルといった小さな部品でさえ、精巧な革張りだった。後者だけでヴァンダーボルグは2,000ドイツマルク(約16万5千円)を費やした。
しかし、それだけではない。オーナーの要望により、このモデルではカーテレフォンや、しばしば酷使されるリヤワイパーが省略されたのだ。さらに、助手席前のダッシュボードにプレートが取り付けられた。このプレートには、「In Memoriam Prof. Ferry Porsche(フェリー ポルシェ教授への想い)」と書かれており、その下には次のような言葉が記されている。「私たちが携えている思い出、私たちが紡ぐ夢、私たちを駆り立てる欲望だけが真実です。私たちはそのことに謙虚でありたい。27.03.1998」。 1998年3月27日、「993」が生産ラインを離れ、スペシャルリクエスト部門に引き渡された日、フェリー ポルシェは88歳でこの世を去った。ポルシェ博士の友人であったというヴァンダーボルグは、「993ターボ」を友人のフェリーに捧げることにした。このため、パーソナライズされたドアシルには「最後のワルツ」というスローガンが記されており、これがこの「993ターボ」のニックネームの由来となっている。