2024年の出来事を堤伸輔が振り返る──「大谷翔平」「北口榛花」「K-POP」ほか、ライブエンタメ“超・私的”5大ニュース
2024年の出来事を総括。編集者・コメンテーターの堤伸輔のライブエンタメ“超・私的”5大ニュースとは? 【写真を見る】堀米雄斗、北口榛花、Stray Kidsなど、名場面をプレイバック!
堤伸輔が振り返る2024年
性懲りもなく、今年もやります。去年の暮れに発表して大顰蹙を(たぶん)買った、超・私的なライブエンタメ・ベスト集を。何しろ自分が常日頃から見ているものや人しか書けないのですから、偏るのは致し方ないと、またも開きなおって。 どのくらいライブを見たか。去年は45回だったが、今年は67回と「週1ペース」を大きく上回ることはできた。内訳は、野球からスキージャンプまでの「スポーツ」が47回。J-POP、K-POPの音楽ライブに歌舞伎からお笑いライブまでの「ステージ」が20回。なーんだ、スポーツばっかじゃないかと呆れられそうだが、マイナス10℃よりも冷え込む雪山のナイタージャンプから、体感40℃を超える灼熱の野球デーゲームまで、過酷な観戦を乗り越えてきたことに免じて、どうかお許しください。
大谷翔平の宇宙的活躍/1位
選ぶのはベスト5ではなくベスト1にして、今年はこの話題だけで終わってもいいのではというのがホンネだ。3回太平洋を越え、ドジャースタジアムで6試合、ニューヨークのシティフィールドで3試合、計9試合の大谷出場ゲームを観た。目の前で打ってくれたホームランは4本。その2本目は「42ー42」の「同シーズン本塁打&盗塁」のメジャーリーグ・タイ記録となった。そう、あのデコピンの始球式で話題になった試合だ。さらに、リーグ優勝決定シリーズのメッツとの試合で2本塁打。シーズン平均よりもいい確率で、驚くほど速く距離も伸びる美しいホームランを見ることができた。大谷選手は最終的には「50-50」を優に超え(54本塁打・59盗塁に到達)、リーグMVP、ホームラン・打点王、そしてドジャースのワールドシリーズ制覇と、記録ずくめ・賞を総なめの活躍だった。アメリカの実況では「この惑星でベストの」、いや「この宇宙でベストの」プレーヤーだと大絶賛していた。 ナマで見る大谷選手は、オーラも凄いが、何より集中力の高さが群を抜いている。メッツ戦で一塁にランナーで出て、相手投手が交代した。10球弱の練習投球の間ずっと、大谷は、一塁からリードをとり、身構えて、まさしくいま盗塁するような気迫を滲ませながら、投手のタイミングを把握しようと睨んでいた。こんな選手を見たことがない。 ドジャースタジアムには、いろんなエスニシティの人たちがやってくる。日本人・日系人はむろん、韓国、台湾、フィリピンといったアジア勢から、アメリカ、カナダ、メキシコの地元勢、そしてエルサルバドル、ベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国といった中南米勢まで。それを見ていていちばん感動したのは、その子どもたちのものすごく多くが「17番のユニフォーム」を着ていたことだ。スポーツの世界で、国境を軽々と越えたこれほどの人気の広がりを、ほかに知らない。 みなさんも、ぜひ、そのプレーをいつか生観戦してみてください。