「ミランのホンダに憧れたよ。今はクボを」パレスチナ代表MFが心から示す“日本サッカーへの敬愛”「ナデシコも…僕らと同じ心境だったのかも」
パレスチナ代表と通じる“2011年のなでしこ”
パレスチナ代表の選手たちは、辛苦を力に変え、ネガティブなことをポジティブに捉える努力をし、同代表史上最高の躍進を遂げている。現在、最終予選ではグループ最下位に沈んでいるが、可能性が消えるまで、懸命に戦い続けるに違いない。 その姿は、2011年女子W杯で優勝した日本女子にも通じるところがある。 あの年の3月、日本は東日本大震災という大災害に見舞われ、多くの尊い命が犠牲になった。その3カ月後にドイツで女子W杯が始まった時、日本は強豪のひとつとは見られていたが、ドイツやスウェーデン、アメリカのような優勝候補とは目されていなかった。 だが、なでしこたちは決勝トーナメントで、見事にその3チームを立て続けに──そして劇的に──下し、世界の頂点に立った。そのエネルギーの源の一部に、被災した母国があったのは間違いない。
当時のなでしこも、同じ心境だったのではないかな
「今のパレスチナが直面している人災も、当時の日本が経験した天災も、僕たちにはどうすることもできないものだ。ただ僕らはフットボーラーだから、ピッチ上で戦うことはできる。苦しんでいる同胞に、ひとときでも笑顔になってもらうように。おそらく、当時の日本女子代表の選手も、同じような心境だったのではないかな。 また僕らには、先ほども話したように、世界中の人々にパレスチナで起きていることを知ってもらう必要がある。そのためにも、ひとたびピッチに足を踏み入れたら、文字通り、死力を尽くして最後の最後まで戦うんだ」 〈第1回からつづく〉
(「球体とリズム」井川洋一 = 文)
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