米女子フィギュア界でまたスキャンダル…名コーチが性的虐待で訴えられる
またしても女子フィギュア界で性的虐待問題が表沙汰になり全米に大きな波紋を呼んでいる。フィギュアスケートの元米国代表だったアダム・シュミット氏(34)が、長野五輪の金メダリスト、タラ・リピンスキー氏や、3度の五輪出場を誇る男子のトッド・エルドリッジ氏を育てた名コーチとして知られるリチャード・キャラハン氏(73)をサンディエゴの裁判所に提訴した。 複数のメディアの報道によるとシュミット氏は、14歳だった1999年から2001年にかけてミシガン州ロチェスターのオニキス・アイスアリーナでキャラハン氏から繰り返し性的虐待を受けた。その卑劣な行為はデトロイトのスケート場で始まり、ロチェスターのオニキス・アイスアリーナで過激なものとなり氷上だけでなくキャラハン氏のオフィスでも行われたという。シュミット氏は、同アリーナに対してもキャラハン氏の性的虐待行為を知りながらも放置した罪を問い今回の訴えに含んだ。また過去にもキャラハン氏は、元五輪代表コーチのクレイグ・マウリツィ氏から1999年に性的虐待行為を受けたことを訴えられていたが、その時に全米フィギュアスケート協会が、適切な処置を取らなかったため、その後のシュミット氏への性的虐待につながったとして同協会も訴状に加えている。 全米メディアも今回の提訴を大きく取り上げた。USAトウデイ紙は「五輪フィギュアスケート選手のアシュリー・ワグナー氏が故・ジョン・コフリン氏による性的暴行の事実を明かして、わずか1週間後に再び米国フィギュアスケート界が揺れた」と報道。ソチ五輪の米国代表だったアシュリー・ワグナー氏の性的暴行被害の告発に続いて表沙汰になったスキャンダルに注目した。 ABCニュースは、シュミット氏が、18年以上前の事件を今、提訴した理由について掘り下げている。米国チームの医師を務めたラリー・ナサール氏が米国のトップ女子体操選手に行っていた性的虐待行為が明らかになり、昨年になってマウリツィ氏がキャラハン氏からの性的虐待について再度、性的不正行為などを監視する米国セーフスポーツセンターに訴え、キャラハン氏がコーチ活動の停止処分を受けたことなどの一連の社会的な動きが引き金になったと報じている。