注意すべき“首の痛み”の特徴と対処法を医師が解説!
首の痛みの予防法と対処法
編集部: 首の痛みを予防することはできるのですか? 稲田先生: 疾患を原因としない慢性的な首の痛みに悩まされているときには、まず姿勢に気をつけることが大事です。パソコンやスマホに向かっているときは、長時間画面を見過ぎないこと、適度に姿勢を変えたり、立ち上がったりして首や肩を動かすことが必要です。 編集部: 普段からの姿勢が大事なのですね。 稲田先生: はい。筋肉が緊張すると血行不良が起こり、首の痛みの原因になります。ストレッチをして首の血行を改善するようにしましょう。 編集部: そのほか、気をつけることはありますか? 稲田先生: 「朝、目が覚めた時に首が痛い」ということもあると思います。もしかすると寝具が体に合っていないのかもしれないので、枕の高さや硬さを見直してみるといいでしょう。一般的に、寝ているときは立っているときと同じく、背骨が自然なS字カーブを描くのが理想と言われています。枕が高すぎたり、低すぎたりするとこのS字カーブを保つことができず、首や肩、腰の痛みの原因になります。 編集部: 首が痛いときには、どうしたらいいのでしょうか? 稲田先生: 慢性か急性かによって、痛みの対処が違います。姿勢や寝違えなどの急性の痛みは、筋肉に炎症が起きていることが多いので、一般的には冷やしましょう。反対に、肩こりや首のこりなどが原因で慢性的に肩が痛い場合には、蒸しタオルやカイロを使ったり、入浴をしたりして、患部を温めて血行を改善してください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 稲田先生: ひと昔前までの首の痛みと言えば、労働などが原因となって発症することが大半でした。しかし現在では、パソコンやスマホの使い過ぎなどが原因となって、首の痛みに悩まされている人がほとんどです。仕事柄、どうしてもパソコンやスマホを長時間使わざるを得ないという場合もありますが、使用するときにはパソコンやスマホを目の高さに置き、画面を覗き込むような姿勢を取らないことを意識するだけで、首の痛みは軽減されると思います。もし2週間以上、首の痛みが続く場合は早めに医療機関を受診してください。