8月中にBクラス確定…どん底の「西武」が“データ分析の専門家”を募集「改革の目玉」となるか
OB戦がピーク?
3月16日、西武ライオンズの本拠地・ベルーナドームで開催された球団初のOB戦「LEGEND GAME 2024」は、2万7795人の大入り満員となった。観戦した都内の50代会社員男性は、スタンドに詰めかけたファンたちが、こんな“冗談”を言いあっていたのを覚えている。 最後まで声援を送る…大勢のファンが詰めかける西武の本拠地・ベルーナドームと周辺施設の写真
「今日のOB戦の盛り上がりが、今シーズンのピークだったりして……」 そして開幕。だがエースの高橋光成(27)が不振、同じく先発の平良海馬(24)や中継ぎの甲斐野央(27)が故障で離脱したこともあり、チームは4月21日から最下位に転落。5月26日に松井稼頭央監督(48)が休養し、渡辺久信GM(59)が監督代行に就任したものの、成績は一向に上向かない。8月12日に自力優勝の可能性が消え(対日本ハム戦)、30日にはCS進出の可能性も消えた。9月を前に2年連続のBクラス、いや、最下位がほぼ確実といっていい成績に陥っていた。 それでも――。 9月1日、本拠地ベルーナドームで行われた毎夏恒例のイベント「ライオンズフェスティバル2024」の最終試合(対日本ハム)は、チケットが完売。2万7596人の大入り満員となった。この日の日本ハム戦は、9回裏に3得点、逆転サヨナラで勝利を収め、試合終了後には郷ひろみ(68)のスペシャルライブが開かれた。 「キャンプ中に高橋が右肩を痛めて開幕先発ローテーションから外れ、シーズンに入ってからも助っ人のアギラー、コルデロの不調と、とにかく悪いニュースばかりが続いた西武ですが、ファンは熱心に球場に足を運んでいます。8月4日には3年連続で観客動員100万人を突破。割安や優待チケットの配布など、営業サイドの努力もありますが、ファンは応援を続けてきました。来季はこうした思いに応えることが球団に課せられた使命といえます」(担当記者) ファンの期待、それは勝つこと=優勝に他ならない。80~90年代の黄金時代を知るファンもいまだ多いだけに、もう一度「絶対王者」と言われたチームに生まれ変わるため……だからではないだろうが、CS進出が消えた直後に「渡辺監督代行・GM引責辞任」報道も出始めた。 「CS進出がなくなった8月30日の敗戦(対日本ハム戦)で、『応援してくれるファンに申し訳ない』と語った渡辺代行ですが、その日はベルーナドームに、飯田光男球団本部長の姿もありました。6月の西武HDの株主総会で後藤高志オーナーは『これから改革をもう一回しっかりやって、かつての常勝軍団を取り戻す改革を先頭に立って進める』と語っています。この“改革”には、監督人事も含めた大きな動きがあるというのが周囲の見方でもあり、30日の試合後、渡辺代行と飯田本部長の間で進退も含めた話し合いも行われたのでは、と見られているのです」(同) 飯田本部長は「まだ試合が続いているのでお話しすることはありません」としか語らなかった。