【専門家・体験談】「文字を書くのがニガテ」書字障害(ディスグラフィア)とは? 家庭や学校でどうサポートする?
言葉を聞いて理解することはできるのに、文字を書くことが難しい。学習障害のひとつ、「書字障害」(ディスグラフィア)に見られる特徴です。 書くことが難しいのに、学校の宿題やテストで書かないといけない場面が多くあるため、書字障害のお子さまはとても大変な思いをしています。 ここでは、「書字障害」に見られる特徴や原因、また家庭や学校でどう支援すれば学習に取り組みやすくなるのかをお伝えします。
書字障害とは?
書字障害とは学習障害(LD)のひとつで、「ディスグラフィア」とも呼ばれています。 知的な発達には遅れが見られないのですが、文字を書こうとすると、時間がかかったり、正しい形に書くことができなかったりと困難があります。 その原因は、本人の学習努力や意欲とは関係なく、脳機能の発達にあると考えられています。 例えば書字障害のお子さまは文章を読み、意味を理解することはできても、視覚から入ってきた情報を処理する機能がうまく働かないため、文字の形や位置、大きさを正しく認識するのが難しくなります。 また、ものを見ながら手を動かすなど、手や目を同時に使う協調運動(目と手の協応)に苦手さがあると、手の動きをうまくコントロールできなくなります。 そのため文字に書き起こすことが難しく、鏡文字(上下はそのままで左右を反転させた文字)になったり、自分でも読めない形になってしまったりしがちです。 しかし正しく書けるようにならなくては…と、字を書く練習をただ繰り返しても効果はあまり見込めません。それぞれのお子さまの状態に合わせて、サポートを行うことが大切です。
小学生に見られる書字障害の特徴
小学生になると、学校の授業でも家庭学習でも、文字を書く場面が多くなります。 書字障害のあるお子さまの様子、書いた文字には、下記のような特徴が見られます。 ・線がぐちゃっとしているような文字を書く ・1文字ごとに大きさが違い、バランスがとれない ・文字を書くのに時間がかかる ・枠や線からはみ出して書く ・鏡文字(上下はそのままで左右を反転させた文字)を書く ・漢字のへんとつくりを逆に書く ・線のつなぎ方や書き順がわからず、絵のような文字を書く ・文法的に正しい文章を書くのが難しい ・筆圧が強すぎる、または弱すぎる ・文字を書くことへの負担感が強く疲れやすい 上記は、書字障害に見られる特徴の一例です。 お子さまのノートやテスト、家庭学習の様子を目にして、心当たりがあり不安に感じる場合は、まず担任の先生や学校のスクールカウンセラー、あるいはかかりつけの小児科医に相談してみましょう。