春の新作ドライバーをマトリックス図で比較 「国産MAX」と「海外MAX」明らかな違いとは
テーラーメイド「Qi10」とキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」の発売を皮切りに、国内外問わず話題作が続々と登場した今春のドライバー市場。“10K”をはじめとした高慣性モーメントヘッドから、飛距離と寛容性を別次元で両立したモデルまで、各社個性を打ち出すラインアップが出そろった。レッスンスクール「ゴルフテック」のコーチでクラブフィッティング事業を担当する三田貴史氏が、試打と計測データを元にマトリックス図を作成。7社17本の最新モデルのトレンドや各シリーズの傾向を解説する。
「国産MAX」と「海外MAX」 微妙に異なるつかまり具合
縦軸はスピン量、横軸はつかまり具合で構成してもらった図を見ると、2021年秋から見受けられる、つかまり具合が強くスピン量の多いゾーン(左上)に集中した傾向は今期も継続していることが分かる。「以前から国産メーカーではバックスピン量が入りやすく、ボールが上がりやすい“やさしいクラブ”化の流れは強まっていましたが、ここへ来て海外勢もその流れに近づいているといえます」と三田氏。その特徴はテーラーメイド「Qi10 MAX ドライバー」、ピン「G430 MAX 10K ドライバー」が象徴するように、国産メーカーとはやや違った変化を遂げていることが、図を見ると把握できる。
「Qi10 MAX」「G430 MAX 10K」は、左上のボリュームゾーンから少し離れた場所(右寄り)に位置。三田氏は「海外ブランドの『MAX』の特徴として、スピン量はそこそこ入る半面、つかまり具合はそれほど高くないのが特徴ではないでしょうか。ミズノ『ST-MAX 230 ドライバー』、ブリヂストン『B3 MAX ドライバー』といった国産ブランドの『MAX』と比べるとつかまり具合は抑えめです」と、“国産MAX”と“海外MAX”の違いに言及する。 「いまや1ブランドから展開されるモデルは、3~4機種が当たり前になっています。その背景には、低スピン&高打ち出しの傾向が年々強まり、LS(ロースピン)モデルだけでなく、スタンダードモデルにも低スピン化が見受けられるようになりました。多くのアベレージゴルファーの受け皿が、『MAX』になりつつあるのです。慣性モーメントの安定感を手にしたいゴルファー、その中でもつかまり具合を求めるなら“国内MAX”、そこまで求めないなら“海外MAX”という、ひとつの基準ができると思います」