立憲・枝野代表が会見 代表辞任へ(全文2)ボトムアップの政治は道半ば
党運営でこだわり続けたことは
朝日新聞:すいません、朝日新聞の南と申します。4年前の10月に結党してから、先ほどの質問にもあったようにボトムアップの民主主義、草の根からの民主主義ということを掲げてやってきたわけですけど、この4年間、枝野さんとして、党運営でこだわり続けたことはどんなことがあったのかという点と、あと、1人で立ち上げられたわけですけど、この立憲民主党という存在が日本の政治史においてどういう意味を持つか。2点お願いします。 枝野:図らずも早い段階で第1党になってしまったので、政権の選択肢になるという公器の役割をすぐに背負わなきゃならなくなったっていうのは、実は正直言って想定外だったです。ただ、やはり公器としての役割と、結党のときからずっとこだわっている、別の言い方をすると政治の内側を向くんではなくて外側を向く。そして有権者の、あえて申し上げるなら、ノイジーマイノリティーではなくて、サイレントマジョリティー、声を出せない人たちの声にこちらから入っていく。そこのところは、両立させるのは実は難しい問題でしたが、なんとか片方に偏り過ぎずに、4年間ハンドリングはできたんではないのかなというふうに思っていますので、そういった意味では今後のことについても各地で仲間と協力させてもらって、それぞれの地域で、政治に届きにくい皆さんの声や現場を見させていただくようなところに呼んでいただければありがたいなというふうに思っています。それからなんだったっけ、もう1つ。
日本の政治史における立憲民主党の意味は
朝日新聞:日本の政治史においての立憲民主党の意味ですね。それはご自身としてどのように考えられていますか。 枝野:まだ評価早いんじゃないですか。これから10年、20年たって、それまでの、さらにここからの歩みの中で結果的に評価をどう受けることになるのかなっていうことだと思っているので、少なくとも4年前の結党うんぬんを今、評価する段階は早すぎると思っています。 朝日新聞:ちょっとそれに関連して、野党一本化ですね。この2016年の参院選で民主党の幹事長のときから始められて、17年の衆院選はあまりうまくいきませんでしたけど、19年参院選、そして今回という形で進んできたというわけですけど、そのことが日本の政治史に与える意味とか、今後に向けてどう影響を与えていくかという点についてはいかがでしょうか。 枝野:やっぱりこの選挙制度を取ってる限りは、制度の要求だと僕、思ってるんで、いいとか悪いとか、好きとか嫌いとかじゃない。でないと、永久政権的な構造になってしまう選挙制度なのだということが、少なくともこの選挙制度を取って15年ぐらいではっきりしていると思うので、今のところ、選挙制度そのものを見直すべきだというのが大きなうねりだと僕は思っていませんので、従ってそんないい、悪いとかっていう話じゃ僕はないと思っているので。 朝日新聞:最後1点ですが、枝野さん、4年前から経済政策についてのボトムアップということを言われてきたけれど、どうしても世間から見た場合、立憲民主党の経済政策というところが弱いということを言われ続けたところがあったと思います。今回の衆院選を通して、その辺の訴えというのは、どこまで浸透したと思われますか。 枝野:なかなか伝わらないというじれったさを感じながらずっとやってきていますし、これはもう、ちょっとそこは、なんて言うんでしょう、自信を持って私は思っているんですが、これは歴史の必然だと思っているので、その従来型の、いわゆる製造業を中心とした規格大量生産で経済が成長すると、供給サイドを改革すれば経済成長するというのは、どの国であっても先進国では行き詰まっていて、その行き詰まりを解決するには違うアプローチをせざるを得ない。 これは僕、歴史的な必然だと思っているので、これは目の前の選挙1個1個でどれぐらい理解していただけるかということ以上に、言い続けなければならないことであるし、それをいかに早く分かりやすく伝えることができるかというのが、逆に言えば、どれぐらい早く政権にたどり着くかということにつながるんじゃないかと、そこの1つの大きな要素であると思っています。