立憲・枝野代表が会見 代表辞任へ(全文2)ボトムアップの政治は道半ば
ボトムアップの政治、どこまで実現できたか
東京新聞:東京新聞の大野です。少し抽象的な質問を2点お願いいたします。結党当時から代表はボトムアップの政治を訴えてこられたと思います。この理想がどこまで達成できたかが1点です。もう1点が、著書の『枝野ビジョン』では、ご自身が総理大臣として具体的にどんな社会を実現したいかということや理念などを書かれたと思います。総理大臣を目指してこられた、その思い、今なんらかの変化や思うところがおありでしたらお聞かせください。 枝野:1点目はボトムアップっていうのは完成形があると私は思っていません。あえて後悔があるとすればっていうか残念だったのは、私の言ってるボトムアップは党内の国会議員の中のボトムとかそんな話じゃまったくないので、有権者、国民の中で、政治に声が届けにくい、届けられない。あるいは政治に声を届けなきゃいけないんだという意識すら持っていない。そういう人たちの声に寄り添うのがわれわれの立場なんだという意味です。これは一貫してそういう趣旨だと申し上げてきています。 やはりコロナがあって、もちろんコロナで、オンラインであったが故に、何度も演説その他で繰り返したとおり、政治に私たちは見えていますか、という学生さんの声を聞くことができました。というネット、オンラインだからできた部分もありますが、やっぱりトータルで見ると、そうしたわれわれが聞かなければならない、聞きたいと思っていた声を受け止めにくいコロナの状況があったということは残念に思っていますが、これを不断にやっていく。なんか完成形があって、こういうモデルをつくればボトムアップなんだじゃなくて、常に、特に政治に直接参加する議員や候補者が、その届いていない声をどう受け止めていくのかということをやり続けることだと思っていますので、まさに道半ばだと思っています。 2つ目のほうはちょっと誘導尋問的で難しい、どう答えたらいいのか分かりませんけれども、私がこの春出した本で示したビジョンは、昨年の9月にみんなで合意して作られた綱領を解説したものだと思っていますので、どちらにしてもその綱領を掲げて、政権を目指していくということの中で、総理大臣はなりたくてなれるものではないと思っていますので、少なくとも今はそれを支える立場で1日も早く政権を奪って、綱領で掲げ、『枝野ビジョン』という本で解説をした社会に近づけるように最大限の努力をしたいと思っています。 司会:南さん。