2024年版 見た目も走りも「バツグン」な小型車 本当の意味で “エコ” な欧州Aセグメントの宝石 10選
9. フィアット500
長所:個性的なスタイリングは古さを感じさせない。実燃費23km/l。ソフトトップのカブリオもある。 短所:キャビンとトランクが狭い。装備などは少し古く、安っぽく感じる。性能は控えめで、乗り心地はノイジーでぎこちない。 フィアット500は、発売から約15年経った今でも新鮮な外観を保っている。改めて考えてみれば、これは驚くべきことだ。 最高出力70psの3気筒ガソリンエンジンを搭載したマイルドハイブリッドや、EVの500eがあるが、見た目は似ていても両車に共通点はほとんどない。 500eでは航続距離が最長320kmと謳われ、他のEVに完全に遅れを取っているわけではない。速く走りたい人にはアバルト500eもあり、こちらは最高出力154psにパワーアップするが、航続距離は265kmに落ちる。 アバルト500eは、エンジン車の排気音を再現する斬新なサウンド・ジェネレーターを備えている。しばらくの間は楽しいが、すぐに飽きてしまう。ゼロ・エミッションのシティカーという点では、標準的なフィアット版の方が適している。
10. シトロエン・アミ
長所:コンパクトなサイズ。最小回転半径が小さい。ミニマルなデザインと構造。 短所:乗り心地が悪い。悪天候での視界の悪さ。走行エリアによっては危険を感じる。 このリストの中で最もシティカーという言葉にふさわしいのが、シトロエン・アミだ。都市環境に特化しており、それ以外の場所では十分に対応できない(そしてすぐに充電が切れる)。 自動車というより正確には四輪バイクであり、シトロエンが都市部における低価格の交通手段として開発した、風変わりな乗り物である。 コンパクトなサイズ、小さい旋回半径、電動パワートレインなど、基本的な部分は混雑した都市での使用に適しており、必要以上のものは備えていない。そのミニマルなデザインにこそ魅力があることは確かだ。 最高速度は45km/hで、航続距離は74kmと心細く見えるが、シトロエンが想定している環境ではあまり問題にならない。 とはいえ、その一本気なアプローチは、都市部以外で真価を発揮できないことを意味する。鈍く冷え切った性能、衝撃をそのまま身体に食らうような乗り心地、悪天候時の視界の悪さは、郊外道路では恐怖を感じてしまう。 アミは、非常に狭い動作範囲において見事に実現されたシティカーだ。限られた動力性能と地理的範囲に合致する場合にのみ、正当化できるクルマなのだ。
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部