【アンジェリーナ・ジョリー】とミツバチの親密な関係
女性の力を否定することは社会の前進を妨げること
また「WOMEN FOR BEES」を通じて彼女は、「世界中で特別な体験を分かち合い、今までにない形で女性たちと共感できた」と語り、苦難を乗り越えて前へ進もうとする女性の粘り強さを、再認識したとも言う。 「そもそも私は、女性の力と知性に疑いを抱いたことはありません。偉大な女性に育てられ、3人の素晴らしい娘に恵まれていますし、苦難に直面したときには女性たちの力を借りて克服しています。だから、いまだに女性の能力を軽んじる人がいることに困惑させられるんです。女性の力を否定すれば、自分の国の成長と社会の前進を妨げることになるのに。他方で、女性たちがお互いを支え合える仕組みを整える必要もあります。先ほども言ったように女性は元来慈しみ育てる性であり、力を合わせれば素晴らしいことを成し遂げられる。なのにこの世界は女性にとって生きにくい場所で、団結しにくい状況がつくり出され、女性同士で競い合わなければならないポジションに追い込まれがちですからね。私は男性たちを愛していますし、彼らが持つ力を高く評価しています。息子たちにも強くなってほしい。けれど、女性たちが同じだけの力を与えられ、発揮することの重要性も理解してもらえると信じています」 「WOMEN FOR BEES」はまさに、世界を女性にとって生きやすい場所にする試み。「参加した女性たちが今後も絆を維持し、習得したスキルをビジネスとして成立させて、自立の手段に役立ててもらえたらと願っています」と、アンジェリーナは未来への希望を語る。 「それにミツバチの保護には、誰でもいろんな形で貢献できます。花や木の苗を植えるのも素晴らしいし、生物の多様性について学ぶことも役に立ちます。まずは自然界で起きていることに敏感になることが重要ですね。その上で自分なりに可能なことを見つけ出してほしい。知ることで問題の深刻さに気づき、よりよい選択ができるようになるはずです」 SOURCE:SPUR 2024年7月号「アンジェリーナ・ジョリーとミツバチの親密な関係」 interview & text: Hiroko Shintani logo design: Ayame Ono