今日深夜W杯アジア最終予選「絶対に負けられない中国戦」…森保Jは保守的路線を捨てモチベ高い久保、堂安ら新布陣で挑むのか
プレー可能な招集メンバー全員で練習できたのが、前日の公式練習の一回だけという状況で日本はオマーン戦を迎えた。ヨーロッパ組が飛躍的に増えた結果として、国際Aマッチデーで選手を拘束できる期間と帰国するまでの行程から不可避となる状況下で、森保一監督はアジア2次予選から中心としてきたメンバーを軸に先発の11人を組んだ。 ポジティブにとらえれば中心選手へ注がれる厚い信頼の証であり、目の前の一戦を「石橋を叩いて渡る」となる。もっとも、逆の方向からは慎重を期すあまりにチーム内でマンネリ感が頭をもたげ、ダイナミズムが失われたとネガティブにとらえられる。 レギュラー陣の重用は、右サイドバック酒井宏樹(31・浦和レッズ)の戦線離脱も招いた。ヨーロッパの舞台で長く戦い、オーバーエイジで参戦した東京五輪をへて、大会終了後には移籍した浦和でフル稼働していた酒井のオーバーワークを把握できなかった。 森保ジャパンで最多の16ゴールをあげているMF南野拓実(26・リバプール)までもが、左太ももの違和感が癒えずに戦線離脱した。1トップの大迫勇也(31・ヴィッセル神戸)を軸とする攻撃の潰し方を、徹底マークと球際の激しい守備でオマーンが実践。1-0の勝利をもぎ取ったいま、日本にも5年前のような大胆な変化が求められる。 ゴールを奪わなければ勝利も遠いと考えれば、東京五輪と同じトップ下を熱望する久保と、右サイドを主戦場としながら久保と変幻自在にポジションを入れ替えるコンビネーションを開通させている堂安の先発起用は、効果的な手段のひとつとなりうる。 久保はA代表戦で12試合に出場するも先発は「4」にとどまり、まだゴールネットを揺らしていない。伊東純也(28・ヘンク)の台頭前は右サイドのファーストチョイスだった堂安は21試合に出場するも、最後に決めたゴールは2019年1月までさかのぼる。 オマーン戦ではともに後半途中から起用されるも、日本の攻撃を活性化させられなかった。金メダルを目指した東京五輪を4位で終え、流した悔し涙を年齢制限のないA代表の戦いで、まだ見ぬワールドカップの舞台で躍動する糧に変える覚悟はできている。 前出の中山はオマーン戦で出場機会を得られなかった。左サイドバック、センターバック、そしてボランチでプレーできるユーティリティープレーヤーは、ポジションの選択肢から「センターバックはもうないと、自分では思っています」と言い、こう続けた。 「オマーン戦は自分でも悔しいし、力不足だけでなく、まだまだ(監督から)信頼を勝ち取っていないと思うので。そこは自分自身にしっかりと矢印を向けていきたい」 身長181cm体重76kgとサイズもある左利きの中山が、東京五輪と同じ左サイドバックで結果を残せばDF長友佑都(34・無所属)も刺激を受ける。若手がベテランや中堅を突き上げ、彼らが抗う結果として生まれるポジティブな変化を吉田はこう表現する。 「代表に長くいるとよく言えば経験を積むとなるし、悪く言えばパッションが鎮火するようなところがあると思う。そこで常に大きな火を燃やせるようにしたい」