問題「階段を昇るとき、1歩で1段か2段で昇ると、15段では何通りの昇り方がありますか」…1段ずつ考えると、すんなり解けます
東大や京大ほか、難関大学が出題した入試問題には、「数学の本質」がいっぱい詰まっている! 【画像】帰納と演繹の考え方を図にすると…こうなります 「よりすぐりの良問」を格好の素材として活用する新しい学習法を紹介した『中学数学で解く大学入試問題』が話題になっています。 中学数学の限られた知識や技術で、大学入試問題がなぜ解けるのか? どう解くのか? 思考過程を重視した素朴な解法を通して、有名大学の問題が「わかる喜び」「考える楽しさ」を体感すれば、「数学的思考力」が驚くほど身につく! *本記事は、『中学数学で解く大学入試問題 数学的思考力が驚くほど身につく画期的学習法』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
まずは、「帰納」の前提を準備
前回の記事でご紹介した、「帰納」と「演繹」。じつは、「数学的思考」においてなかば無意識に利用していますが、より明確に区別して、これまで以上に言語化した解答を目指します。以下の問題で、挑戦してみましょう。 問題 1歩で1段または2段のいずれかで階段を昇るとき、15段の階段を昇る昇り方は何通りあるか。 最初から15段の階段を昇る昇り方を考えるのは無謀です。1段、2段、3段、……と小さい数字から考えてみることで、「帰納」の前提を準備します。 1段の階段を昇る昇り方は、図の左側に示す1通りです。 2段の階段を昇る昇り方は、図の右側に示した2通りです。 これらをそれぞれ、「1+1」「2」と表記することにします。 3段の階段を昇る昇り方は、 1+1+1、1+2、2+1 の3通りです。 4段の階段を昇る昇り方は、 1+1+1+1、1+1+2、1+2+1、2+1+1、2+2 の5通りです。 5段の階段を昇る昇り方は、 1+1+1+1+1、1+1+1+2、+1+1+2+1、1+2+1+1、2+1+1+1、1+2+2、2+1+2、2+2+1 の8通りです。 1段から5段まで求めました。ここまでの前提から、帰納により、昇り方に関する「仮説」を立てます。そのために、ここまでの結果を整理しておきます。 1段:1通り2段:2通り3段:3通り4段:5通り5段:8通り… 昇り方に関して、なんらかのルールはあるでしょうか?
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