F1第23戦、フェルスタッペンが今季9勝目、マクラーレンとフェラーリのタイトル争いは最終戦へ【カタールGP 決勝】
戻ってきた強い王者、フェルスタッペンが今季9勝目
2024年12月1日(現地時間)、F1世界選手権第23戦カタールGP決勝が首都ドーハ郊外のロサイル・インターナショナル・サーキットで開催され、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝、2位にはフェラーリのシャルル・ルクレール、3位にはマクラーレンのオスカー・ピアストリが入った。RBの角田裕毅は好スタートで一時ポイント圏内を走行したが、その後のレースペースがふるわず、13位に終わった。 【写真はこちら】「チームが1日でクルマを改善してくれた。素晴らしい仕事だったね」──M.フェルスタッペン(全8枚) 獲得したはずのポールポジションをペナルティによって失ったフェルスタッペンが、王者の横綱相撲を見せた。 まず勝利への大きな鍵となったのはスタートだった。好ダッシュで繰り上げポールポジションのジョージ・ラッセル(メルセデス)をかわすと、その後の攻防ではマクラーレンのランド・ノリスとのせめぎ合いを制して首位を奪取。ノリスとの戦いはその後に出た3回のセーフティカーを経ても続き、とくに2回目のセーフティカー開けのハードタイヤでの再スタートでは、ターン1で並びかけられる場面もあったが、これも凌いで首位を走り続けた。 勝敗の決着がついたのは3回目のセーフティカーが退去した直後の43周目だった。ノリスが30周目のイエローフラッグ時(ウイリアムズのアレクサンダー・アルボン車から脱落したミラーがホームストレートに転がっていたため)に、フェルスタッペンとの差を詰めてしまったとして10秒ものストップ&ゴー・ペナルティが科されてしまったのだ。 ノリスのマシンがピットに消えると、楽になったフェルスタッペンはそのまま57周を走り切り、シーズン9勝目のチェッカーを受けた。
コンストラクターズ選手権の決着は最終戦に持ち越し
フィニッシュ直後には「ドライで勝つのは久しぶり。いいレースができた。昨日のスプリントはダメダメだったけど、チームが1日でクルマを改善してくれた。素晴らしい仕事だったね」と笑顔でレースを振り切った。 一方、ストップ&ゴー・ペナルティで最後尾まで落ちたノリスは、激しく追い上げたものの10位止まり。チームメイトのピアストリは表彰台を確保したが、ルクレール2位、カルロス・サインツ6位となったため、コンストラクターズ選手権でのマクラーレンとフェラーリのポイント差は21点に縮まり、決着は最終戦に持ち越された。 カタールGPのタイヤ戦略。昨年よりも開催時期が1カ月遅くなり気温が下がったこともあり、タイヤマネージメントに大きな問題はなく、1ストップが勝利戦略となった。 次戦第24戦(最終戦)アブダビGPは、12月6日、アラブ首長国連邦アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開幕、決勝は12月8日に開催される。(文:新村いつき)