ロシアの北京五輪スキー3冠王者がSNSにアップした写真を巡り大騒動…ノルウェー連盟が「不適切」と非難しロシア側は「悪意ない」と猛反発
北京五輪のスキー・クロスカントリーで3つの金メダルを獲得したアレクサンドル・ボルシュノフ(25、ロシア)がインスタグラムに投稿した写真を巡って大騒動が起きている。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が国際社会から非難を浴び、北京パラリンピックなど、ほとんどのスポーツの国際大会からロシア、ベラルーシの選手が締め出される中で、ボルシュノフは7日、自身の公式インスタグラムを更新。旧ソビエト連邦時代の代表ユニホームとみられる赤と青のツートンカラーのレトロな競技用のウエアと帽子を着用して、竹製のストックを使い、年代もののクロスカントリースキーを走らせている写真を2枚投稿し、そこに「CCCP(旧ソ連の略称)1980」とのメッセージを添えた。正面からと横からのアングルの2枚で、また、その同じウエアを着てストレッチなどを行う動画も「朝の体操」というつぶやきと共に投稿している。 ウクライナは、旧ソ連から独立した歴史的な経緯があるだけに、一部からは、プーチン大統領が号令をかけた卑劣な軍事侵攻行為を支持していると問題視する動きが起こり、ノルウェーのメディア「VG」によるとノルウェーオリンピック委員会のベリット・ケル委員長は「ボルシュノフのこのグロテスクなジョークは言語道断だ。この不愉快な行為が注目を集め、ロシアがプロパガンダ目的で使用することを避けねばならないだろう」との非難コメントを出した。 またノルウェースキー連盟のエリック・ロステ会長も、「現在、ウクライナで起こっていることに関連して、これ(旧ソ連時代を彷彿とさせる競技ウエアの投稿)は非常に不適切だと思います」と批判した。 ボルシュノフは2018年の平昌五輪で銀メダル3つ、銅メダル1つを獲得し、翌シーズンから2シーズン連続でW杯総合優勝を果たし、北京五輪では、距離複合30キロで金、15キロクラシカルは銀、40キロリレーでは第2走者として金メダルに貢献、団体スプリント・クラシカルで銅。そして50キロフリーで金メダルを獲得しているロシアのクロスカントリー界のトップスターだ。 この騒動を起こしたタイミング(5、6日)で、ノルウェー・オスロのホルメンコーレンでW杯が開催されたが、優勝候補だったボルシュノフは国際スキー連盟の決定により除外されていた。 すでにオスロ入りしてからの決定で、ロシアメディア「スポーツエキスプレス」によると、ロシアへの帰国を余儀なくされたボルシュノフは「多くのノルウェーの選手が私たちについて非常に悪い話をし始めたので、もうそこに滞在する意味はなかった。彼らが私たちを追い出したと言えるかもしれない。(彼らの)ライバルはすべて除外された。その決定は完全に間違っていたと思う」と不満をぶちまけたという。