なぜ横浜DeNAは村上宗隆を止められなかったのか…首位ヤクルトと7ゲーム差から再反撃の可能性は?
首位ヤクルトに4ゲーム差と肉薄していた横浜DeNAだったが、26日からの天王山で3連敗。しかもヤクルトの若き主砲の村上宗隆(22)に3試合で、4本塁打、9打点、2013年に広島の廣瀬純氏がマークしたNPB記録の15打席連続出塁にあと「1」と迫る14打席連続出塁と大暴れされゲーム差は「7」に広がった。9月には9連戦、10連戦を含む試練の27試合が待ち受けているが、ヤクルトとの直接対決が5試合組まれている。横浜DeNAは再反撃できるのか。
3試合で村上に4発9打点14打席連続出塁
まさに悪夢だった。 17連勝中と相性のいい本拠地ハマスタで首位ヤクルトを4ゲーム差で迎えた夏の天王山。あわよくば3連勝で1差に最接近したかったが、結果は返り討ちにあって3連敗である。 “村神”1人にかきまわされた。 10勝5敗(現在)のチーム勝ち頭の大貫を立てた初戦には、村上に46号3ラン、47号ソロの2発を食らい、第2戦は、2-16の大敗で、しかも16点目は村上の48号ソロ。第3戦は、6回に4-4と追いつく接戦となったが、7回にエスコバーが村上に勝ち越しの49号ソロを浴びて勝てなかった。試合後、三浦監督は「エスコバーで勝負にいって、結果打たれたので監督の責任です」と悔しさを押し殺して語った。 なぜ村上を止めることができなかったのか? 現役時代に阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトでプレーした評論家の池田親興氏は、「今の村上はバッテリーからすれば、どこに投げても打たれるという状況であることは間違いないが、ホームランにされたボールはすべて失投。恐怖感が失投を招いているわけだが、逃げるとますますやられる。1試合、3試合のトータルでの配球を見直すべきだし、そもそも村上の前に走者を貯めないという鉄則を守れたか。ヤクルトは3連戦で5番打者を青木、サンタナ、オスナと3人替えてきたが、状況に応じて四球という選択肢を有効に使えていたかどうか。このあたりの検証が必要ではないか」という分析をしている。 「村上の前に走者を貯めない」の鉄則を守れなかった。 村上との対戦は3試合で16打席あったが、走者を置かずに迎えることができたのは、ちょうど半分の8回。ヤクルトは初戦が塩見―山崎―山田、2戦が塩見―キブレハンー山田、3戦目が塩見―山崎―山田と1、2、3番を動かしてきたが、第2戦では、新外国人キブレハンが3本塁打と爆発、3試合のトータルで、3番の山田にも本塁打を含む14打数6安打と打ち込まれ、「村上の前に走者を貯めない」という“村上封じ“の第一段階に失敗している。 8回あった走者無しのうち4回が第3戦。この試合は、3番の山田で、前の回の攻撃を終わらせ、先頭打者として村上を迎えたのが、3回あり、1、2戦の教訓を生かしていた。だが、7回に先頭打者の村上に対してエスコバーに勝負させ勝ち越しアーチを浴びた。 次に検証すべきは四球戦略の使い方だ。 16打席のうち四球は5回。申告敬遠は1回で敬遠気味が2回ある。 三浦監督が言う「監督の責任」を追及するのであれば、継投の人選と四球をうまく使えたかどうかという点にある。