なぜ”令和の怪物”ロッテ佐々木朗希は前回KOの楽天にリベンジを果たし復調の8勝目を手にすることができたのか?
千葉ロッテの佐々木朗希(20)が復活を告げる8勝目をあげた。26日にZOZOマリンスタジアムで行われた楽天戦で先発した佐々木は7回を3安打無失点、8奪三振の快投でチームを2-0の勝利に導いた。今季初めてバッテリーを組んだドラフト同期生、佐藤都志也(24)の好リードのもと、前回登板でプロ初の3発を被弾し、ワーストタイの5失点を喫した楽天打線にリベンジを果たした。なぜ佐々木は復調できたのか?
「自分の力でゼロに抑えてチームを勝ちに導く」
相手打線をねじ伏せる、威風堂々とした令和の怪腕が帰ってきた。 7回までに佐々木が対峙した延べ25人の楽天の打者で、バットの芯でとらえたのはわずか一人だけ。2回二死。外角低目の直球を完璧にとらえた6番・鈴木大地の強烈なライナーは、瞬時に反応した佐々木のグラブにすっぽりと収まった。 対照的に許した3本のヒットはすべてどん詰まりの単打。四球が絡んで二死一、二塁とされた3回も、先頭の浅村斗にセンター前へ落とされ、打球を髙部瑛斗が“バンザイ”する失策から無死二塁とされた4回も、力と技を融合させて後続を沈黙させた。 一死後に再び浅村に遊撃内野安打で出塁された6回も、2試合連続のマルチ安打で打率を3割に乗せていた4番・島内宏明へ126kmのカーブから入り、157kmの直球をはさんでフォークを連投。注文通りに遊撃ゴロ併殺に仕留めた。 5試合ぶりに向かった7回のマウンドでも佐々木の快投は続いた。 カウント0-2から156kmの直球をど真ん中へ投じ、金縛りにあったように見送った銀次から8個目の三振を奪うと、ただ1人タイミングが合っていた鈴木を変化球攻めで三塁ゴロに打ち取る。7番・小郷裕哉もフォーク攻めで一塁ゴロに仕留め、91球で戻ったベンチで交代を告げる井口資仁監督とグータッチを交わした。 珍しく無風だった本拠地ZOZOマリンスタジアムは、湿度が実に90%に達していた。蒸し暑さもあって「汗っかきなので、すごく大変でした」と苦笑した佐々木の右足は7回を投げ終えた時点で、報道によればつりかかっていたという。 チームを3連勝に導いた快投に抱いた思いを、ヒーローインタビューの第一声に凝縮させた。 「ここ最近、なかなかいいピッチングができず、特に前回は打線に助けてもらったので、今日は何とか自分の力でゼロに抑えてチームを勝ちに導く、と思って投げました」 脳裏には19日の前回登板が色濃く刻まれていた。