なぜ横浜DeNAは村上宗隆を止められなかったのか…首位ヤクルトと7ゲーム差から再反撃の可能性は?
あくまでも結果論ではあるが、四球の選択肢があったのは、第1戦の7回二死走者無しで、三上が47号ソロを浴びた場面と、第3戦でエスコバーが決勝の49号ソロを打たれた7回の場面だろう。 池田氏の見解はこうだ。 「三上と村上の力関係から言えば、第1戦の場面は四球で良かっただろう。第3戦のエスコバーのところはベンチの采配は間違いではなかったと思うが、エスコバーのコントロールミス。キャッチャーはミットを外角に構えていたが、ボールは完全な逆球で内側に来た。インローの154キロのツーシーム。その難しいボールをすくいあげてスタンドまで運んだ村上に脱帽するしかないが、ファウルで粘りながらずっとインコースにタイミングを合わせていたようにも見える。歩かせてもいいと考えて外角のボールゾーンにスライダ―を曲げても良かったのかもしれない。もともとエスコバーはコントロールではなく球威で勝負するタイプでコントロールミスはありえること。フルカウントからインハイの速いボールを2球続けてファウルにしたのを見てベンチが指示しても良かったのかもしれない。ただ同点で最初から申告敬遠の選択肢はないだろう」 ベイファンの間では1997年のトラウマが重なる。 当時、野村克也監督が率いていた首位ヤクルトに最大14ゲーム差から7、8月に猛追して、3.5差と迫り、9月2日からハマスタで首位攻防戦を迎えたが、現在楽天監督の石井一久氏ににノーヒットノーランされるなど3連敗。ここから一気にV戦線から離脱した。 状況は似ているが、その同じ轍は踏みたくない。 まだヤクルトとの直接対決が6試合あり、そのうち9月に11、12日のハマスタでの2連戦、23日から神宮に乗り込んでの3連戦がある。 今回の教訓を生かしての村上対策は大きな課題である。 池田氏は「かつて阪神の遠山が松井秀喜を封じたような“村上キラー”が欲しいところ」と主張する。ノムさんは阪神の監督時代に変則左腕の遠山奬志氏を対ゴジラ用のワンポイントとして起用。その打棒を封じ込んだ。ただ中継ぎ左腕不足が横浜DeNAの課題で、加えて変則左腕となると適した人材がいない。坂本をブルペンに回して中継ぎで起用しているが、オーソドックスだ。エスコバーが適任なのだが、今回の失敗がどう尾を引くか。