なぜやる?休場力士が続出し新型コロナ恐怖で琴貫鐵が電撃引退でも大相撲初場所強行の異常事態にネットは批判炎上!
相撲の取組に15分以上かかることはないが、汗や唾などの体液には直接、触れる可能性がある。相撲と同じく、対人競技のプロボクシングを管理するJBC(日本ボクシングコミッション)は「屋内でのコンタクトスポーツは感染リスクが高い」としている。 米国ラスベガスのプロボクシングでは、出場選手やトレーナーなど関係者は全員、PCR検査で陰性を確認した上で、“バブル”と言われる施設に完全隔離して試合まで外部の人間との接触を一切禁じている。日本のプロボクシングも、選手は試合の前々日にPCR検査を受けた後、ホテルに隔離して外出を制限。計量場とホテルの移動も公共交通機関を使わず送り迎えをさせるほど管理を徹底している。 だが、大相撲の場合、15日間の開催期間中に、全力士を1か所に集めて管理するようなことはできていない。各部屋での感染予防対策としては、外出、買いだしの制限など細かく指示をしているが、完全隔離されているとはいえず、実際、これまでいくつかの部屋でクラスターが起きている。幸い、ここまでの直近3場所は、本場所中の感染案件はなく、それが開催強行の理由のひとつになっているようだが、リスクをはらんでいることは確かである。PCR検査も場所中に複数回行うこともしていない。8日の検査で陰性だった力士が、明日、感染する可能性もあるのだ。 なぜ、ここまで協会は本場所の客入れ強行開催にこだわるのだろう。 相撲関係者に聞くと「ひとつは関東大震災や戦時中に空襲で焼け野原になっても開催して国民を勇気づけてきたという伝統と神事としての役割がある。四股は邪気を払う儀式。その伝統を守らねばならないとの使命感でしょう。もう一つの側面が、経済的理由。中止にすればチケット代、NHKの放映料、お茶屋への補償などで約10億円の損失が出るとされている。だから政府の指導を受けるか、万策尽きるまで中止の決断はできないんです。やるにしても最低でも無観客にする配慮は必要だとは思うのですが」と歯切れが悪かった。 それでも昨年は夏場所を中止した。2011年には八百長問題で春場所を中止した例もある。強行開催は国民に勇気を与えるどころかショックを与えることになりかねないのだが…。