記憶力・判断力の低下、眠気、イライラ……原因はスマホ由来の“脳疲労”!? 専門家が解説
会話中に人の名前が出てこなかったり、昨日食べたものを忘れたり……。こういった記憶力の低下は、デジタルデバイスの多用による脳疲労のサインかもしれない。
今回は、脳とアンチエイジングを専門とする脳神経内科医・霜田里絵先生に“脳疲労”について話を伺った。
記憶力の低下はスマホの見すぎが原因!?
――最近、もの忘れが増えた気がします。 一般的に、記憶力などの認知機能は、50歳頃からゆるやかに低下していきます。ただ、40代くらいになると記憶が定着しないと感じる人もいるでしょう。 主な原因は睡眠不足や睡眠の質の低下ですが、スマホを寝る直前まで見ているような生活も関係していると思います。 ――やはりデジタルデバイスが、脳に悪い影響を与えるのでしょうか? 個人差はあると思いますが、休憩でも電車に乗っているときも、みなさんスマホが手放せなくなっていますよね。 しかも、動画を観ながら料理を作ったり、音楽を聴いたりといったマルチタスクが当たり前になりつつある。そういった生活を続けていると、脳のキャパシティを超えて「脳疲労」に陥る可能性があります。
自分の脳疲労、気付いてる?
――脳のどんな処理に支障が起きるのでしょうか? 記憶がまだらに悪かったり、判断力が鈍ったり、考察力が低くなったりします。 それから抽象的な表現になりますが、「感動する」という処理もできなくなってくると思います。ちょっと極端ですが、脳が疲労していると、いわゆる心のゆとりみたいなものが少しずつ蝕まれていくのではないでしょうか。 ――気付いていない脳疲労のサインはいろいろあるんですね。 下記のサインに5つ当てはまる場合は、脳疲労の状態かもしれません。 ・記憶力が低下気味 ・判断力が鈍くなっている ・じっくり考えるのが面倒になっている ・感動することが減った ・ぐっすり眠れない ・やたらイライラする ・以前より集中力が続かない ・新しいことに挑戦するやる気がない ・クリエイティブ力が乏しい