愛知県の感染者7日連続で50人超え 新指標で「警戒」超える
愛知県の大村秀章知事は27日午前、愛知県庁で定例記者会見に臨み、「コロナ対策は長丁場になる。コロナと対峙しながら克服するため、県や県民、事業者の責務を明確にしていく」として、今後の新型コロナ対策の基本的な枠組みを定める条例の骨子案を示した。 【会見ノーカット】愛知県、新型コロナ対策の条例制定へ 大村知事が定例会見 また、午後に開かれた感染症対策会議後の会見で、同日に新たに76人の感染を確認したと発表。同時に新しい4段階の指標を定め、これまでの「警戒(イエローゾーン)」から一段先の「厳重警戒(オレンジゾーン)」「危険(レッドゾーン)」を見据え、医療体制の整備などを進めるとした。
病床数は「766」をさらに上乗せへ
愛知県内の感染者は今月15日から急増した。4連休は、初日の23日に過去最多の97人となり、その後も60~80人台で推移。「入院中」の陽性者も540人を超えた。ただし、「入院中」のうち自宅療養をしている軽症・無症状者の内訳は示されていない。 大村知事は「30代以下が76%で、軽症・無症状者がほとんど」と従来の説明を繰り返した上で「病床数は(これまで目安としてきた)500床に相当数を上乗せでき、医療体制は確保できている」と強調した。この日の午後に開かれた医療関係者で構成する県新型コロナウイルス感染症検証委員会(委員長=長谷川好規・名古屋医療センター院長)に出席した際に、7月20日現在の受け入れ可能病床が「766」であることを明らかにした。 また、厚労省の推計モデルを当てはめ、実効再生産数を1.7とした場合の最大療養者数(入院または宿泊療養者の総数)を1778人と推計。そのうち即応病床として「839」病床が必要になると見込んでおり、現状の「766」で足りない分は、準備中の専門病院などで確保する計画だという。
新指標での規制は「ケースバイケース」
新指標は、これまでの「注意(警戒)」「危険」の2段階を細分化し、「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の4段階とする。新規感染者数(過去7日間の平均)、陽性率(過去7日間)、入院患者数(過去7日間の平均)に加えて「入院患者のうち重症者数(過去7日間の平均)」も基準とする。現状では新規感染者数は「危険」領域、陽性率や入院患者数は「厳重警戒」領域に入っているとみられるが、重症者数は「注意」以下で、休業要請などの規制に踏み切るかどうかは「数字を見てケースバイケースで判断する」という。 大村知事は「現状では医療が逼迫しているという状況ではないが、感染者の6割強が名古屋市内で、名古屋の医療機関が窮屈であることは間違いない」とした。また、PCR検査についても名古屋市の検査能力が限界に近いとされており、「県に回してくれと何日も前から具体的に言っている」と、県が市をカバーする連携体制を調整中だとした。 また、新型コロナの対策推進のため新たに制定を目指す条例の名称は「愛知県新型コロナウイルス感染症対策推進条例(仮称)」。東京都や長野県、岐阜県に続いての条例化だが、「県独自の緊急事態宣言についての定め」と「高齢者や障害者などへの配慮に関する規定」を全国に先駆けて明記する。施設の使用制限や休業要請などについての詳細には触れていない。8月25日まで県民からのパブリックコメントを募集し、9月議会に提案する予定だという。 (関口威人/nameken)