新規感染者数が基準超えても「イエロー」出さず 愛知・大村知事が定例記者会見
愛知県の大村秀章知事は20日、愛知県庁で定例記者会見に臨み、県内での新型コロナウイルスの感染状況について「首都圏、関西圏に比べればまだ低いのかもしれないが、徐々に上がってきていることは注視しなければならない」とした。一方で「若い方が多く、軽症、無症状者が9割を占めるなど、第一波が来た4月の段階とは実態が違う」として、外出自粛や休業要請など何らかの規制を設ける「注意(イエロー)」の警告は出さない意向を示した。 愛知・大村知事「4月とは状況違う」 感染再拡大も「注意」指標は出さず(2020年7月20日)
入院患者数は少なく、重症者もゼロ
大村知事は国の緊急事態宣言解除を前にした5月11日、県独自で休業要請などを判断する際、過去7日間平均の新規感染者数、過去7日間の陽性率、過去7日間平均の入院患者数を指標にすると発表。新規感染者数10人、陽性率5%、入院患者数150人という数字を「どれか一つでも超えてきた場合」に注意領域(イエローゾーン)に入ったとして警告を発し、規制を検討するとしていた。さらに新規感染者数20人、陽性率10%、入院患者数250人に「3つとも該当すれば」危険領域(レッドゾーン)だと説明していた。 5月、6月は基準に達しない状況が続いていたが、7月中旬から新規感染者が急増、7月18日には一週間平均で10人を超えて12.6人に、19日には15.6人になっていた。一方で、入院患者数は19日現在、一週間平均50人余りで、判断指標「注意」の150人、「危険」の250人とは大きな開きがある。 大村知事は7月に入ってからの感染者115人のうち、軽症が112人と9割以上で、重症者はいないこと、年代では30歳代以下が7割であること、感染経路も東京や関西圏などの県外由来が4割になることなどを挙げ、「第一波の経験値に基づいた状況にはマッチしない」と断言。「明らかに軽症、無症状の人が多い中で経済活動を止めろ、自粛しろとなると、その弊害が大きくなり過ぎる」と指摘、実質的に当初の「注意」基準を見直した。 国が東京都を除外して進める「Go Toトラベル」キャンペーンに対しては「観光事業者が大変な状況になっているのは事実。まずは近隣、近場からやって徐々に広げ、時期をずらしてでも息長くやってほしい」と述べた。
迷惑系ユーチューバーの感染拡散「極めて遺憾」
愛知県警岡崎警察署で勾留中に新型コロナへの感染が確認された「自称ユーチューバー」の男に関しては、県内での感染者は本人を含め8人で、濃厚接触者は特定できていると説明。「結果として愛知県内での感染拡大につながっており、極めて遺憾」と述べた。 一方、逮捕された山口県から岡崎署までは警察車両で護送されており、一般の県民と接触する機会はなかったとして、「この件について過剰な心配はせず、引き続き不要不急の東京への移動自粛、新しい生活様式の実践などの適切な行動、感染防止対策の徹底に協力を」と呼び掛けた。 (関口威人/nameken)