J2在籍16年目・岡山が悲願のJ1初昇格!! 仙台は過去無得点“鬼門”で無念のプレーオフ敗退
[12.7 J1昇格プレーオフ決勝 岡山 2-0 仙台 Cスタ] J1昇格プレーオフは7日、岡山市のシティライトスタジアムで決勝戦が行われ、ファジアーノ岡山がベガルタ仙台を2-0で下し、2009年のJリーグ参入からJ2在籍16年目で初のJ1昇格を決めた。就任3年目の木山隆之監督は自身5度目のJ1昇格(参入)プレーオフ挑戦で悲願の初突破。かつて2020年に率いた古巣を破り、14,673人の大観衆とともにクラブの歴史を変えた。 【動画】アウェー中国戦の裏で起きていた珍事…日本代表FWがSNS上の声に反応「わざと」 J2レギュラーシーズン5位の岡山と6位の仙台が準決勝を勝ち抜き、J1昇格プレーオフ初年度の2012年以来12年ぶりに決勝で実現した“下剋上”対決。岡山は準決勝・山形戦(◯3-0)から先発1人を変更し、MF藤田息吹に代わってMF輪笠祐士が先発したのに対し、仙台は準決勝・長崎戦(◯3-1)と同じ11人を送り込んだ。 試合は立ち上がりこそ仙台が勢いを見せ、前半11分にはエースのFW中島元彦の無回転FKが岡山ゴールを強襲。だが、これがGKスベンド・ブローダーセンに阻まれると、徐々に岡山がサイドを起点に前へと出られるようになり、押し込んでいった。 すると前半20分、岡山が試合を動かした。左に開いたFW木村太哉のスルーパスにゲームキャプテンのMF田部井涼が抜け出し、この突破は相手に阻まれたが、こぼれ球を木村がなんとか残す。これに反応したのはMF末吉塁。ダイレクトで右足を振り抜くと、ふわりと曲がって落ちたシュートがゴール右上隅に吸い込まれた。 末吉は今季33試合出場で1ゴールにとどまっていたが、プレーオフ決勝という大一番で殊勲の先制弾。レギュラーシーズンの順位で上回る岡山は引き分け以上でJ1昇格が決まる状況のため、大きなリードを手にした。 対する仙台は2点が必要な状況。だが、その後も岡山が主導権を握り続け、前半25分にはMF本山遥のクロスからFW一美和成が惜しいヘディングシュートを放つと、同31分にも木村のポストプレーから一美が右足で狙う。仙台はMF鎌田大夢とMF工藤蒼生のダブルボランチで組み立てながらも決定打は出せず、そのままハーフタイムを迎えた。 仙台は後半開始時、FWエロンに代わってFWオナイウ情滋を投入。するとオナイウのスピードを活かした突破で攻撃が活性化し、同4分にはオナイウのクロスから中島がボレーシュートを放つと、同8分にはシンプルなロングボールに抜け出したオナイウがカットインから右足で狙う。だが、これは岡山の守護神ブローダーセンがスーパーセーブを見せ、チームを救った。 劣勢に回った岡山は後半15分、一美に代わってFWルカオを投入。するとこの起用が勝負を分けた。 岡山は後半16分、中盤左サイドに開いて浮き球を受けたルカオが屈強なフィジカルを活かしてターンし、ペナルティエリア際までゴリゴリと運ぶと、最後は右に優しいラストパス。そこに走り込んだMF本山遥が右足で狙い、相手DFに当てながらもゴールにねじ込んだ。右ウイングバックの本山は準決勝に続く2戦連発。関西学院大出身3年目の25歳がクラブの歴史に残る大仕事を成し遂げた。 その後も岡山はルカオの強さを軸に攻撃を組み立て、仙台の守備陣を圧倒した。終盤は仙台がハイリスクな攻勢を仕掛け、クロスバー直撃のシュートも放ったが、ゴールを破ることはできず、そのままタイムアップ。岡山が悲願の初昇格を決めた。一方、仙台は過去6戦0得点6失点で1分3敗の鬼門・岡山でプレーオフ敗退となった。