天然氷の蔵元が集まる日光で、個性感じる「かき氷」の食べ比べ
栃木県日光市
大自然が生み出すまろやかな天然水と真冬の寒さを利用して自然の中で作られる天然氷。古くからの天然氷の蔵元は全国で5軒のみとされ、そのうち3軒が栃木県日光市に集まっている。蔵元ごとの個性を感じるかき氷を食べ比べてみよう。 日光の天然氷の蔵元は、松月氷室(しょうげつひむろ)、三ツ星氷室、四代目徳次郎の3軒。いずれも日光連山の麓のひっそりとした場所に設けた製氷池で、清冽な沢の水を流し込んで作られる。冬の寒さで2週間ほどかけて凍らせることで、密度が高くて硬い、夏まで溶けない氷ができあがる。 天然氷のかき氷を出す店では、あえてその氷を常温に置き、少しゆるめてから削るという。蔵元直営の「松月氷室」では、使う直前まで1~2度の冷蔵庫で保管し、ふんわり削る。体温との差が小さくなるので、すっと口の中で溶け、天然水の丸みのある味わいが余韻を残す。 「日光さかえや」はきめ細かい雪のような食感、「日光珈琲 御用邸通」は大きく削り驚くほどふわふわ。趣向を凝らしたシロップと、削り方で変わる食感や口溶けの良さを味わってほしい。 文/野水綾乃 写真/越 信行 ※「旅行読売」2024年8月号の特集「ひみつのかき氷」より
松月氷室 ピスタチオベリー/1430円 ナッツの風味と香ばしさを引き立てたピスタチオソースとキイチゴなどのベリーの酸味が相性抜群! 地元産「とちおとめ」だけで作る「生イチゴプレミアム」も人気。店舗は6月に改装オープンし、以前の5倍の60席になった。
日光さかえや 日光産イチゴかき氷/1300円 名物の揚げゆばまんじゅうとともに人気なのが、市内のイチゴ農園から届く「とちあいか」や「紅ほっぺ」をぜいたくに使ったかき氷。三ツ星氷室の天然氷を使い、ゆば専門店らしく自家製豆乳シロップがたっぷり。
日光珈琲 御用邸通 カフェ・オーレ/1430円 蔵元・四代目徳次郎直伝の削り方で作るかき氷は、形を保っているのが不思議なぐらいふわふわ。「カフェ・オーレかき氷」は自家焙煎豆の香り豊かなカフェオレベースをシロップに使用。中に隠れたアイスクリームもうれしい。