「ポケモン×工芸展ー美とわざの大発見ー」(麻布台ヒルズ ギャラリー)レポート。世界的人気シリーズと伝統工芸の豪華なコラボを探せ!
麻布台ヒルズ ギャラリーで「ポケモン×工芸展ー美とわざの大発見ー」が開幕
麻布台ヒルズ ギャラリーで全世界で絶大な人気を誇る『ポケットモンスター』シリーズと工芸作家のコラボレーション展「ポケモン×工芸展ー美とわざの大発見ー」が開催されている。会期は2025年2月2日まで。 2023年3月~6月まで石川・国立工芸館で行われた本展は、工芸の多種多様な素材と技法でポケモンに挑み、ひらめきと悶えと愉しみのなかから生まれた作品を公開する展覧会。その後、アメリカや日本各地の巡回を経てバージョンアップし、今回は追加作品を含む約80点を展示。 参加作家は池田晃将、池本一三、今井完眞、植葉香澄、桂盛仁、桑田卓郎、小宮康義、城間栄市、須藤玲子、田口義明、田中信行、坪島悠貴、新實広記、林茂樹、葉山有樹、福田亨、桝本佳子、水橋さおり、満田晴穂、吉田泰一郎。気になる作品をいくつかピックアップして紹介したい。
ポケモンの可愛らしい姿を表現
本展は、小さい頃からポケモンで遊んできた人も、ポケモンに馴染みのない人も楽しめる展覧会だ。工芸の繊細な技術とポケモンの愛らしい姿を、世代を超えて堪能できる内容となっている。全3章で構成されており、それぞれの章が異なるポケモンの魅力を引き出している。 第1章は作家が日頃から向き合ってきた金属、土、木などの素材研究、長年の鍛錬による優れた技術の成果がポケモンのフォルム、皮膚や毛並み、仕草や表情に抽出された「すがた ~迫る!~」。 20歳頃から本格的に木象嵌に取り組んでいる福田亨。一般的には平面で展開されるこの技法を、福田は立体造形へと発展させ、その繊細なタッチと生命感に満ちた表現で観客を魅了する。いっぽう、稀少な技術を継承する自在置物の第一人者である満田晴穂は、本展のために「自在置物として、そして満田の龍としてのギャラドス」を制作。 陶芸家の今井完眞の制作は、手びねりで成形したボディに削りを加え、最後に細部を足して作品を完成させるスタイルを貫く。今回はゼニガメ、コイキング、アーボック、キングラー、フシギバナをモデルにした作品を展示。細やかな皮膚の表現にぜひ注目してほしい。