一田憲子 50歳で見つけた三日坊主の克服方法とは?「努力して」「頑張って」という土台の上で「続ける」ことは困難
ライフスタイル誌『暮らしのおへそ』で編集ディレクターを務め、自然体な暮らしを提案してきた一田憲子さん。60歳という人生の転換期を迎えるにあたり、直面する悩みと向き合う中で見つけたものとは。若い頃に「三日坊主だ」と言われていた一田さんが、今「続ける」ために大切にしていることは―― * * * * * * * ◆枕を抱えて起き上がる 最近、枕を新しいものに買い替えました。ある日、枕カバーをはずすと、うっすらと茶色いシミが。枕って、汚れやすいものなんですね。お風呂に入った後、髪の毛を乾かしたとしても、枕が湿気を吸い取って、カビが発生したり、髪の毛を染めた色が移ってしまったり……。 定期的に干すようにしていましたが、朝、バタバタと出掛けていくと、つい忘れて、しばらくしてギョッと気づく……という繰り返し。もう4~5回は買い替えたでしょうか。そこで、今回新しいものを手に入れて、「今度こそ、きれいに使うぞ!」と決意しました。 知り合いが枕を買うにあたって、ピローフィッターという枕のスペシャリストのレクチャーを受けたと話してくれました。その時に勧められたのが「枕カバーは毎日洗う」ということ。その時は「毎日なんてとても無理~!」と思ったのですが、今回の買い替えを機に、チャレンジしよう!と思い立ちました。 朝、目覚めたら、枕を抱えて起き上がります。着替えて、パジャマと一緒に枕カバーも洗濯機へイン! あれ? 意外に簡単じゃん! ついでに、枕本体は、以前から持っている枕用ハンガーを使って外に干します。こうして、毎日洗い立ての枕カバーで眠るようになりました。
◆三日坊主の克服方法 かつて、掃除のプロに取材をさせていただいたとき、「掃除は、汚れていなくても毎日します」と教えてもらいました。当時、掃除ができなかった私は、このひと言で、掃除ができるようになりました。毎日やるからこそ、隅々まで丁寧に掃除しなくていいのです。ちゃちゃっと掃除機をかけ、今日取り残したホコリは、明日取ればいい……。 若い頃、編集者に「イチダさんは、三日坊主だからね」と言われ、仕事がこなくなったことがあります。私は大層落ち込んで、どうしたら三日坊主をやめられるだろう?と真剣に考えました。 でも、どんなに「やめよう!」と決意しても飽きるものは飽きる……。そして、そんな自分の飽きっぽさがまたバレるのが怖かった……。友人にそんな秘密を相談したら、「飽き性だから、新しいことを見つけて書けるんじゃない?」と言われて、ハッとしました。そうか! 無理してやめなくてもいいんだって。 そんな私が、50歳になって見つけたのが、「毎日やる」と決めた方がラクなこともある、ということです。同じことを繰り返す=ルーティンにする、ということは「頑張ってやる」という意識のレベルから、「何も考えないでやる」という無意識のレベルへ、フェーズを変える、ということです。 枕カバーを洗って枕を干す。朝起きたら、ポッドキャストを聴きながら掃除をする。私のこのふたつの習慣は、ほとんど何も考えず、自然に体が動くことばかり。意志の力はもろいものです。「努力して」とか「頑張って」という土台の上では、「続ける」ということが逆に困難になることを知りました。
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