一田憲子 50歳で見つけた三日坊主の克服方法とは?「努力して」「頑張って」という土台の上で「続ける」ことは困難
◆「重要だけど早急でない」ことと向き合う 仕事をする上で難しいのが、「重要だけど早急でない」ことと、どう向き合うかだなあと思います。 私は、雑誌の仕事もしているので、撮影のためのコンテを書いたり、アポイントを取ったり、種々雑多な仕事があります。 かつては、早急にやらなくてはいけないこと、つまり、締め切りが迫っていることから手がけていました。でも……。そうすると、エッセイなど「長いスパン=締め切りがまだ先」の仕事が、どんどん後回しになっていきます。 本当は「自分の文章を書く」ということがいちばん大切なはずなのに……。 そこで、とにかく、締め切りがあったとしても、朝書斎にこもったら、まず最初にエッセイの原稿を書くことに決めました。1時間だけの日もあれば、午前中ずっと書き続けることも。でも、とにかく毎日書く……。こうして「重要だけど早急でない」ことが、やっと暮らしの中に定着し始めたところです。 若い頃は、なんでも頑張って手に入れることばかりを考えていたけれど、頑張りすぎると逃げていくこともある……。いかに力をいれず、はりきらないで、続けられるか? 何かを乗り越えたり、克服しようとせず、今のままでできる方法を探すことが、いちばん確かなようです。 頑張って何かを続けない。考えなくても体が動くルーティンを作ることが早道 ※本稿は、『歳をとるのはこわいこと? ――60歳、今までとは違うメモリのものさしを持つ』(文藝春秋)の一部を再編集したものです
一田憲子
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