これが不足すると「老化+肥満」のWパンチ…日本人の8割が足りていない「超重要な栄養素」
■イライラする原因はセロトニン不足 ④たんぱく質は、心の健康にも欠かせない →不足すると、“幸せホルモン”が不足する やる気が出ない、気分が落ち込む、イライラする……そんな心の不調の原因のひとつと考えられるのがセロトニンという脳内の神経伝達物質の不足です。セロトニンは、“幸せホルモン”とも呼ばれ、心身をリラックスさせたり、意欲を増したりする働きがあります。 セロトニン不足は、自律神経や体内リズムの乱れなどによって起こりますが、そもそも、セロトニンの材料となるたんぱく質が不足していると産生量が低下し、意欲が低下したりイライラしたり、落ち込んだりしやすくなります。 また、セロトニン不足になると、セロトニンを材料につくられる睡眠ホルモンのメラトニンの産生量も減り、睡眠のリズムが崩れてしまいます。 ほかにも、たんぱく質不足によって、元気ホルモンであるドーパミン、リラックスホルモンであるGABAなどの神経伝達物質も不足して、精神の不安定な状態につながります。 ■代謝が低下し、太りやすくなる ⑤たんぱく質は、消化吸収時に約30%が熱エネルギーになる →不足すると、冷えやすく、太りやすくなる たんぱく質は、20種類のアミノ酸が50個以上集まり、さまざまな配列で複雑に結合してできています。食事で摂ったたんぱく質は、体内の消化酵素(これもたんぱく質からできている!)によって分解され、1個のアミノ酸や、アミノ酸が2~3個結合したペプチドという状態になり、小腸から吸収されます。 このようにして複雑に結合したたんぱく質が体内で分解され、吸収されるとき、その約30%が熱エネルギーになるのです。これを「食事誘発性熱産生」といいます。この熱産生量は午後や夜間よりも午前のほうが高いため、朝食を抜くと熱産生量が下がって、代謝が悪い体質になってしまいます。 つまり、たんぱく質を摂取することで熱が生まれて体温が上昇。逆に、たんぱく質が不足していると、体温が上がらず冷えやすくなり、さらに代謝が低下して太りやすくなります。 自分がたんぱく質不足かどうかを知りたい方は、図表3のチェックシートでセルフチェックをしてみてください。 ---------- 平島 徹朗(ひらしま・てつろう) たまプラーザ南口胃腸内科クリニック院長 1973年神奈川県生まれ、大分県育ち。日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本抗加齢学会専門医。国立佐賀大学医学部卒業後、大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部などの勤務を経て、「たまプラーザ南口胃腸内科クリニック」「福岡天神内視鏡クリニック」を開設し、院長、理事長を務める。「薬の服用は最小限に、食事と生活習慣の改善が最優先」をモットーに横浜と福岡で診療を行っている。趣味はトライアスロン、筋トレ、ランニング、YouTube撮影。豆柴犬をこよなく愛す。 ---------- ---------- 秋山 祖久(あきやま・もとひさ) 福岡天神内視鏡クリニック院長 1975年佐賀県生まれ。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。中学生のころ、急性虫垂炎で入院したときの主治医のやさしさに感動し、医師を志す。長崎大学医学部卒業後、長崎大学消化器内科に入局。多くの総合病院勤務を経て、「福岡天神内視鏡クリニック」院長に就任。年間4000例以上の内視鏡検査を行っている。ビタミンDを愛し、ビタミンDの大切さを熱心に語ることから「ビタミンD先生」と呼ばれている。趣味はトライアスロン、読書、スポーツ鑑賞。早歩き通勤が日課。 ----------
たまプラーザ南口胃腸内科クリニック院長 平島 徹朗、福岡天神内視鏡クリニック院長 秋山 祖久