なぜWBA世界挑戦者決定戦に判定で圧勝した亀田和毅は第二の故郷メキシコで大ブーイングを浴びたのか?
またIBFも、この日、ドネアの前座で、米国で同級の世界挑戦者決定戦を行い、日本の勅使河原弘晶(三迫)が元WBO世界バンタム級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)の強打を浴びて2回にTKO負けを喫した。アフマダリエフは、王座を返上しない限り、この2つの指名試合を消化せねばならず、亀田も「IBFも決定戦をやっていたので、どちらの指名試合が先に入るかで変わってくる。WBAからの連絡を待つしかない」と、スムーズに世界戦が実現しないことも覚悟している。 2021年は激動の1年だった。 兄の興毅氏が、大阪に新しいジム「3150ファイトクラブ」を立ち上げ、自らは2連勝で世界挑戦権を手にした。この1年を漢字一文字で表現すれば?の質問に「うーん、どうですかねえ。一文字では難しい」と、クビをひねった亀田は「勉強、成長できた1年」と答えた。 「コロナもあって2年ぶりに日本で無観客で試合もした。初めてのことばかりの中で色々と勉強ができた。今年は2勝プラス(世界)挑戦権も獲得できた」 父の亀田史郎氏が15歳でメキシコに武者修行に出した亀田家の最終兵器も、もう30歳になった。成長の1年の次は実りの1年へ。ネットで大バッシングを受けるのも、良くも悪くも、今なお亀田ブランドが、健在だということの証拠。亀田と聞くだけで嫌悪感を示すアンチの間では、3兄弟がごっちゃになっている人が少なくないが、ただ一人現役のボクサーとして、王座返り咲きを目指す亀田和毅にとって来年が勝負の年になることは間違いない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)