更年期世代が食べておきたい寿司ネタ5選 不足しがちな栄養素を効率的に補う方法とは 栄養士に聞く
筋力や骨の健康が気になる更年期世代。魚介類には、たんぱく質やカルシウムなど、骨や筋肉づくりをサポートする栄養成分がたっぷりと含まれています。回転寿司店などで寿司ネタを選ぶのに迷った際、栄養メリットの観点でいうと、なんのネタを選ぶと良いのでしょうか。更年期世代が食べておきたい寿司ネタについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。 【画像】好きな寿司ネタのランキング マグロより人気なネタとは? ◇ ◇ ◇
低カロリーで高たんぱく質 良質な油を含む魚介類
魚介類は、肉類に比べると概して低カロリー、高たんぱく質の食品です。とくに魚介類など動物性の良質なたんぱく質は、体に吸収されやすいのが特徴。筋肉の維持や修復、免疫機能の向上に役立ちます。多くの魚介類はカルシウムが豊富で、その吸収をサポートするビタミンDも含むので、骨の健康が気になる場合は魚介類を日々の献立に組み込むと良いでしょう。 また、魚の油は良質で、脳の活性化が期待されるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血液をサラサラにして動脈硬化など生活習慣病の予防で注目されるEPA(エイコサペンタエン酸)の不飽和脂肪酸が多いのが特徴です。
それぞれの寿司ネタの栄養メリットとは
健康な体づくりのためには、バランスの良い食事、質の高い睡眠、適度な運動が前提ですが、更年期世代が摂取しておきたい栄養の観点からいえば、次の5つの寿司ネタが挙げられます。良質なたんぱく質や油(DHA、EPA)、カルシウムやビタミンDに加えて、それぞれの寿司ネタの特徴を紹介しましょう。 ○サーモン DHAやEPA、ビタミンDをはじめ、ホルモンバランスやエネルギー代謝をサポートするビタミンB群を含みます。エビやカニなど、甲殻類にあることで知られるアスタキサンチンがあるのが特徴。高い抗酸化作用を持ち、化粧品の成分としても注目される天然色素で、更年期の肌の健康をサポートします。 ○マグロの赤身 魚介類のなかでも、たんぱく質が豊富です。さらに、たんぱく質のエネルギー代謝を高める補酵素ビタミンB6が多いので、筋肉をはじめ皮膚や髪などさまざまな細胞の原料となり、美容と健康に役立ちます。「造血のビタミン」といわれるビタミンB12や鉄も含むので、貧血が気になる方にも良いでしょう。抗酸化作用があり、老化や生活習慣病予防が期待されるミネラルのセレンも、ほかの魚と比べて多いです。 ○タイ 低脂肪で高たんぱく質が特徴の、白身魚の代表です。体表の赤色は、高い抗酸化作用で美肌効果のあるアスタキサンチンによるもの。疲労回復のアスパラギン酸を多く含み、免疫機能の向上に役立ちます。 ○イワシ 青魚なので、オメガ-3脂肪酸のDHA、EPAをたっぷりと含みます。脳の活性化、動脈硬化や心血管のサポートに役立つでしょう。マグロの赤身と同様に、抗酸化作用があり老化や生活習慣病予防が期待されるミネラルのセレンも含みます。 ○ホタテ 代表的な成分として、タウリンが挙げられます。肝機能を高め、疲労を回復する効果で知られており、視力の回復や高血糖、高血圧予防なども期待される成分です。そのほか、余分な水分や塩分を排出し、むくみや高血圧に良いとされるカリウム、貧血予防の鉄、味覚を正常に保つことで知られる亜鉛などミネラルも豊富に含まれます。
魚介類に不足しがちな栄養成分を補ってバランス良く
食事が魚介類の寿司だけになると、食物繊維やビタミンCなどが不足しがちです。具だくさんのみそ汁やサラダを添えることで、寿司に不足しがちな栄養素を効率的に補うことができます。 みそ汁の具には根菜類や海藻類、サラダには葉物野菜やカラフルな野菜を選ぶと、栄養バランスが整い、更年期をサポートするのに良い食事になるでしょう。
Hint-Pot編集部