「メルセデス・ベンツに15台乗ってきた」SL、ゲレンデ……カーカスタムのプロの数奇な車遍歴【後編】
メルセデス・ベンツSLも大好物
前回は大好きなBMWの愛車を紹介しましたが、他にも好きな車はたくさんあります。例えばメルセデス・ベンツのSL。ボンネットがスーッと長くてキャビン(車室)がコンパクトな、「ロングノーズ・ショートデッキ」とはこういうことだ!と言わんばかりのスタイルは、いつの時代も漢の憧れの一台じゃないでしょうか。そういえば石原裕次郎さんも初代のガルウイング、持ってましたものね。 中でもR107(3代目)が好きで、何台か乗りましたし、R107&クーペのC107は今でも所有しています。 この商売を始めた頃はもうR107の次、R129の時代でした。ディスコの前で、ミンクのファーの毛皮を着た妖麗な女性が助手席にエスコートされるのがよく似合う、派手な車でした。
そんなR129と比べると、はるかにシャープなR107は、当時はなんだか古くさく見られがちでしたが、今は何周か回って、R107を普段乗りしてるほうがカッコいいです。もう1世代前の縦目(W113型)も好きなんですが、普段乗りを考えると、断然R107です。
だいたい「SL」って、ドイツ語でSport Leicht、軽量スポーツという意味です。それを考えると、いかにも軽そうな、R107くらいまでが真のSLじゃないでしょうか。
わが子さえ近寄らないような個性的な車が好き
一方、皆さんが大好きな、そしてボクも大好きなメルセデス・ベンツのGクラス、いわゆる“ゲレンデ”も何台か乗りましたが、まあ、ノーマルのまま乗ったことはありません(笑)。 例えば、ハーマン仕様のG500。マットブラックにオレンジの組み合わせです。ハーマンの24インチホイールを履いて、思い切りオーバーフェンダーです。マフラーが左右で3本づつ、6本出てます(笑)。24インチに6本マフラーですからね、まあ燃費は本当に最悪。2km/Lくらいじゃなかったかな。毎日マフラーをボロボロボロボロ(マフラー音です)いわせて、会社に通ってました。
こっちのカールソン仕様も毎日の通勤に使ってました。今でこそ車高を上げてマッドタイヤを、履いたゲレンデを見かけることもありますが、15年ぐらい前は22インチのマッドタイヤ(トーヨタイヤ オープンカントリー)なんて、日本では手に入らなかったんですよ。だからアメリカから取り寄せて、砂漠も爆走できそうなゲレンデに仕上げました。足回りはACCでゲレンデ用のエアサスを作ってもらってアゲています。 それと、普通のカモフラじゃつまらないから、デジタルカモフラージュにしたんですけど、それもよかったと思います(笑)。 他にもレンジローバーも好きですし、フェラーリやポルシェも乗りました。まあ、車が好きなんですよ。だから今の商売をしている訳で。あの時に調理師をやめて勝負して良かったと思ってます。 車が好きと言うよりは、ショーカーが好きなんです。ジュネーブショーやSEMAショーをはじめ、毎年世界中の車のショーに行っては、スポットライトを浴びる車を見て、あーこんなんに乗りたい!と思って日本に戻ってくる感じです。