大手企業からベンチャーへ 心電図解析ソフト手がけるエンジニア、医療×AIで目指すものとは?
未完成ならではの自由で成長できる環境
─ご入社時のSmartRobinは、正式リリースとなるバージョン1.0が構築された段階だったそうですね おっしゃる通りで、私は一からシステムを構築するというより、システムをさらに良くすること、つまり改善と最適化に注力しています。開発の中でも主にレビューとインフラ構築、具体的にはサーバーの選定やネットワークの設定などです。また、クラウド環境には費用が高額になりがちという課題がつきもの。そこでコストを抑えつつユーザーが快適にサービスを利用できるよう、ソフトウェアとインフラのバランス良い構築にも力を入れています。 ─「医療機器を作るソフトウェアエンジニア」はまだまだ数の少ない職業だと思いますが、一般的なITエンジニアとどのような違いがあるのでしょうか 医療機器のエンジニアと聞くと何か特別なことをやっているように思われるかもしれませんが、仕事内容は一般的なソフトウェア開発とほとんど変わりません。他の開発者のタスクを決めたり、リリーススケジュールを立てたり、協力会社のタスクレビューを行ったりといった業務を手掛けています。また、SmartRobinはクラウド環境を活用しているので、Microsoftが提供する「Azure」というクラウドサービスのインフラ設計・監視も私の仕事です。 ─幸さんの転職は大手企業からベンチャー企業への転職という側面もあると思います。ご経験されて感じた、大手とベンチャーの魅力をそれぞれ教えてください 大手企業の魅力は「整った環境」です。業務フローが効率化されていて、次にすべきことが明確に決まっています。そのための人員や資料も整っていて、「こうすると効率良く進められるんだな」といった学びが多く得られます。定期的に新入社員が入社するので、教育の経験を積むこともできました。 一方、ベンチャー企業の魅力と言えば「何でもできる自由度の高さ」です。大手企業とは異なり既存のルールが少なく、便利で効率的な業務フローも整っていません。時には非効率な部分もありますが、それも「こんなルールが必要じゃないか?」「このルールは厳しすぎないか?」と社員が主体的に考える機会になっています。 私も当社ではエンジニアとしての仕事のほか、法律関係の業務や社内で運用するツールの作成などにも携わっています。全て自ら考え行動するというのは大手企業ではなかなかできない貴重な経験ですし、ベンチャー企業だからこそ大きく成長できる部分でもあります。 ─ベンチャー企業に向いているのはどんな人だと思われますか 「どこでも通用する人間になりたい」と考えている人にはぴったりの環境です。ベンチャー企業は幅広い業務に携わることができるので、どこに行っても通用する力が自ずと身につきます。あとは、「自分が作り出したものを世の中の当たり前にしたい」というような野心を持つ人も、自由に挑戦ができるという点でベンチャー企業に向いているかもしれません。