大手企業からベンチャーへ 心電図解析ソフト手がけるエンジニア、医療×AIで目指すものとは?
興味に飛び込むことで切り拓いてきた可能性
─大学の学部選びの段階から、AIには興味をお持ちだったのでしょうか もともと漫画やアニメが好きで、AIが作中で扱われる作品を観ては「AIってなんでしゃべれるんだろう?」と不思議に思っていたことをきっかけに、情報系の学部、中でもAIについて学べる立命館大学に進学しました。研究室も入学前から希望していた「創発システム研究室(AIを扱う研究室)」に所属し、AIについて学びを深めました。 そして、AIについて学ぶに連れて、「こうやってプログラミングするとAIがこう動くんだな」とAIの内側を体験することとなり、プログラミングについても興味を持つようになりました。研究者への道を考えていたわけではなかったので、キャリアを考える際には、AIというよりはプログラミングを仕事にしたいと考えるようになりました。 エンジニアを志す中で、一つの分野に傾倒するのではなく、幅広い分野で開発に携わってみたいという気持ちがありました。そこでファーストキャリアに選んだのが※SES企業でした。多くのプロジェクトに関わることができるため、エンジニアとして経験を積むのに最適な環境だと感じたからです。入社後はデスクトップアプリを主として、特定のツールに搭載するためのプラグインを作ったり、デスクトップアプリ単体で動く製品を作ったりと、さまざまな経験ができたと思います。 ※SES企業とは:「システムエンジニアリングサービス企業」の略で、エンジニアを他の企業に派遣して技術支援を行う会社です。具体的には、SES企業に所属するエンジニアがクライアント企業に常駐し、システム開発や運用、保守などの業務を担当します。 ─そして、転職の際には「医療×AI」の世界に飛び込むことになったんですよね SES企業に在籍していた4年間、ユーザーから多く聞かれたのが「もっと楽がしたい!」という声でした。世の中でDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められている中で、私自身もさらに自動化や利便性を追求し、もっと人の役に立ちたいという思いが湧き起こるようになりました。 そんなとき、大学時代の恩師でもあるCTOの高田から紹介を受けたのが当社でした。「医療現場はまだDXが進んでおらず、人間の力でどうにか頑張っているところが多い」という医療現場の現状を初めて知ることとなり、カルディオインテリジェンスならもっとDX推進に携わることができ、もっと多くの人に貢献できるのではないかと思ったのです。 ─同じエンジニアでも全く異なる分野ですよね。入社にあたって不安はなかったのでしょうか もちろん不安がなかったわけではありません。私は医療分野に明るいわけではなく、WEBアプリケーション開発も未経験。そして最も心配だったのが「自分の能力がここで通用するのか?」ということでした。それでも入社を決めたのは、そんな不安を上回るほどのワクワク感があったからです。自分の作ったものが世界で当たり前に使われるようになり、人々を助けられるかもしれない。そんな思いを、機械学習を学んだ大学時代の経験も後押ししました。 しかし、やはり自身の技術力が通用するかという不安は残っていたので、入社前はひたすらWEBアプリケーションや医療機器について勉強していました。入社後もさまざまな分野に手を伸ばしてみることを心掛けて、時には医療機器に関わる法律を学んだこともあります。エンジニアである私に直接関わる分野ではありませんでしたが、どのような点に気をつけて開発するかというところにつながっていくと考えたのです。とにかくいろんな分野の知識を身につけることで、気がつけば入社前に抱いていた不安は解消されました。