【ABC特集】最も悩ましいのは「私が死んだ時」 50人に1人が「ひきこもり」の日本 ひきこもりの子どもを抱える親に聞いたその実態
2022年度の内閣府の調査によると、ひきこもりの人数は15歳~64歳で推計約146万人に上ります。研究者によると、この数は今後さらに増加していくとみられています。 「中学2年の2学期からひきこもりに・・・」 50人に1人が「ひきこもり」の日本 当事者に聞いた「なぜそうなったのか?どうやって抜け出したのか?」 ひきこもりは当事者にとって辛く苦しいことが多く、また親たちも対応に苦悩しています。しかし日本人特有の「恥の文化」もあり、その実態については調査も進まずあまり知られていません。 今回、ひきこもりの子を持つ親たちを取材することができました。原因やその日常、実態に迫りました。
大阪府居住の76歳(取材当時)の場合 「他人との関わりが苦手な子どもの行く末に不安」
大阪府に住む76歳(取材当時)の女性。息子は46歳で、約26年ひきこもっているといいます。息子は家事のほかに、お菓子作りができるそうなのですが・・・ (息子が26年引きこもっているという70代女性) 「困ってるのは、息子が私以外の人と交われないことです。他人と話ができない」 すでに自らが高齢となり、行く末に不安を感じています。 「もうすぐ親が80歳、子が50歳です。私がいつ死んでしまうか分からないというのがあって、私が死んだときによその人としゃべれなかったら助けてとも言えない。生活保護の申請もできない。どこへ行っていいかも分からない」 主にひきこもりが原因で、80代の親が50代の子どもの生活を支え経済的にも精神的にも行き詰まっていく8050問題が表面化してきています。
大阪府居住の56歳男性の場合 「子どもが2人ひきこもりで就労の対応に苦悩」
大阪府に住む56歳の男性は長女(29)と長男(27)が2人ともひきこもっています。長女は高校生、長男は中学生のころからで、どちらも14年ほど続いています。 一方で2人とも働きたいという思いはあるということですが、男性は「ひきこもっているので体力がない部分もあります。また、仕事というプレッシャーが強すぎるので、週何日来て2時間働いてとかって、それでもハードルが高いんです。行けるかどうかがまず分からなくて、週に1回行くことがもう大変」 就労についてどう対応していけばいいのか苦悩しています。
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