僧侶でありながら「神も仏もない」と思った時期も。障害がありながら「懸命に生きる3人の息子たち」と共に生きる日々【体験談】
絵の先生と二人三脚で開催した「はるすなお展」。たくさんの人が見にきてくれることが何よりうれしい
――「はるすなお展」について教えてください。 窪田 長男が描いた絵がどんどん増えてきたころ、「せっかくこんなにいっぱい描いたのだから、みんなに見てもらったら」と先生が言ってくださったことを機に、先生と一緒に「はるすなお展」が始まりました。 思いもかけずたくさんの方が観に来てくださって「来年もやってね」っておっしゃるので、2回、3回、4回と続けることになりました。みなさんが来てくれることが、長男もとてもうれしくて、自信にもつながっているようです。 お話・写真提供/窪田充栄さん 取材・文 /米谷美恵、たまひよONLINE編集部 評判がいいからと、2回、3回と開催されていったという長男の個展。4回続けて入選した絵画コンクール。その才能をだれもが評価しているのにもかかわらず、「本人が『絵をやめたい』と言うならそれでいいと話す窪田さん。「知的障害者のアート活動にも注目されているなかもったいなくないですか?」という筆者のぶしつけな質問にも、「息子が絵で食べていく姿はちょっと想像がつきません」と、妻の奈保さんと笑いながら答えてくれました。ほかの子と違うと悩んだことがあったなんて思えないくらい、今はその違いを個性として受け入れているのだなと感じました。 「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。
窪田充栄さん(くぼたじゅうえい)
PROFILE 勝林寺住職。2011年3月11日の東北大震災後、被災地にてボランティアを経験。人と暮らしの間にあるお寺を目指し、地域活動や障害児の支援活動、「くつろぎば」の発起人として活動中。
たまひよ ONLINE編集部