プロマネが考える「いい失敗」と「悪い失敗」は? プロダクトを成功に導くための“小さな失敗”
マーケティング施策の仮説設定と検証の手順
マーケティング施策を仮説検証する場合、まずは仮説を設定しなければならない。これは現状と目標のギャップを埋める手段を考えるということで、仮説は検証可能な予測であることが重要だ。つまり、条件(どのような状況・環境で検証するのか)、結果(どのような結果が期待されるか)、測定方法(どのように結果を測定・評価するか)の3つが明確になっていることが望ましい。 仮説例 新しいメールキャンペーンを実施すると、流入数が10%増加する ・条件:ターゲットリストに対して週に1回、3週間連続でメールを送る ・結果:流入数が10%以上増加する ・測定方法:メール開封率と流入数のデータを分析する 次に、検証のスコープ(検証対象の範囲や条件)を限定する。これには以下のような理由がある。 ・複数の変数を同時に扱うと、どの要因が影響を与えたかわかりにくい ・リソースが限られている ・失敗の影響を最小化する
仮説立案ができたら、優先順位をつけて検証を実施し、得られたデータを分析し(検証・振り返り)、検証結果をフィードバックする。
┌────────── 重要なのは、得られた結果から次の仮説につながるサイクルを作ること。そのためにフィードバックループの構築が重要(飯沼氏) └──────────
ステークホルダーからのさまざまな要望をどうマネジメントするか
最後は、土台としての組織文化の話だ。失敗して学習するというサイクルを許容する文化が必要だが、もうひとつ重要なこととして、ステークホルダーとのコミュニケーションがある。
┌────────── いろんな人の要望に応えまくっていたら、尖っていたはずのキャンペーンが丸くなっちゃった。 └────────── これは、よくある失敗例かもしれない。ステークホルダー、たとえば事業部やクライアントからさまざまな要望が出ると思うが、何でも受け入れていると問題が起きる。それを避けるために必要なのが、「何をやらないか決める」ことだ。 ■ [問題] リソース不足 限られたリソースを最大限に活用するためには、優先順位をつけ、重要なことに集中することが必要。 ■ [問題] フォーカスがブレる 会社やプロダクトのビジョンやミッションに沿ったことに集中することで、ブレない方向性を保つ。 ■ [問題] わかりにくくなって市場ニーズに的確に応えられない 市場ニーズに応えるには、不要なもの(=分かりにくさの原因)を省き、価値の高いものを提供することが重要。