プロマネが考える「いい失敗」と「悪い失敗」は? プロダクトを成功に導くための“小さな失敗”
このイメージを伝えるものとして、飯沼氏は以下の図を紹介した。
十徳ナイフは、コンパクトにまとまったツール群として便利なものだ。しかし、さまざまな道具を加えていくと、おもしろいツール群とは言えるが、「コンパクトにまとまった」は消えてしまう。 ┌────────── できることの多さは、必ずしもプロダクトの価値と直結しない(飯沼氏) └────────── ■ Noと言いにくい場合のコミュニケーション術 キャンペーンの場合も、何かを捨てることで尖らせたのが「尖ったキャンペーン」なので、多くの人の言うことを取り込んでいくと、尖りがなくなる。それを避けるために、立場を理解してもらいつつうまくNoと言うには、以下のようにコミュニケーションするのがお勧めだ。 □ 相手の話をよく聞く 内容が予測できても、まず聞く姿勢を見せる。これにより、「ずっと言っているのにちゃんと聞いてくれない」と思われないようにする。 □ どのような価値があるかについての共通理解を持つ 課題感などを、できれば数値化して具体的にする。話をきちんと理解していると相手に伝えることができるし、相手側もそのリクエストの裏にある思いを言語化できるようになる。お互いが共通理解を持つことで、「ちゃんと理解していないくせに断られた」と思われないようにする。 □ 実現するための必要なコストを説明する 金銭的なコストだけでなく、リソースやブランドレピュテーションなども含めて説明する。リクエストする側は簡単だと思っているが実際にはそうではないこともあるので、「簡単な話なのにやってくれない」と思われないようにする。 ■ NoをNotに言い換えて、何をやらないか決める ここまでのコミュニケーションで、リクエストする側が納得して取り下げることもある。とはいえ、どうしても断らなければいけないこともある。そのときは、「Noと思ったらまずNotで考える」のがお勧めだ。