世界初・木造の人工衛星が完成 ”ゴミ”減らし「クリーンな宇宙」へ 原料は”朴葉味噌”の木 京都大学・住友林業の研究チームが開発
京都大学などの研究チームは28日、世界初となる「木造人工衛星」が完成したと発表しました。 京都大学と住友林業による「宇宙木材プロジェクト」は、機体部分に木材を用いた人工衛星の開発などを目指して、4年前の2020年にスタートしました。 従来の金属製の人工衛星は、運用が終了した後の大気圏突入時に微少な物質が発生し、宇宙汚染の原因になると言われています。 一方で木造の人工衛星は、大気圏突入時に燃え尽きるため、クリーンな宇宙開発につながると期待されています。 また、木材は金属よりも軽いうえ「強い真空耐性」を持ち、なおかつ電磁波などを通す性質があることから、宇宙空間での利用可能性が高いということです。
研究チームは、使用する木の種類を3種類に絞ったうえで、2022年にはISS(国際宇宙ステーション)で約10ヶ月にわたり木材を宇宙空間にさらす実験をしました。 その結果、加工性の高さや強度などから、人工衛星には飛騨高山の郷土料理「朴葉味噌」で有名なホオノキが使用されることが決まりました。 木を意味する「Ligno」と人工衛星を表す「Satelite」からなる造語「Ligno Sat(リグノサット)」と名付けられた世界初の木造人工衛星は今後、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き渡され、打ち上げの日を待ちます。
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