「年明け早々、頭が痛い…」2025年度予算「危険なデジタル投資」を避ける3つの“安上がり”な方法 年明けは「予算策定の最終局面」!注意点を専門家が解説
ローランド・ベルガー、KPMG FASなどでパートナーを務め、経営コンサルタントとして「40年の実績」を有し、「企業のDX支援」を多くてがけている大野隆司氏。 【話題の書籍】チーム・組織を強くしたい「すべての現場リーダー」に20年間、読み継がれてきた必読書 この連載では大野氏が自身の経験や大手・中小企業の現状を交えながらDXの効果が出ない理由、陥りやすい失敗、DXの将来性について語る。 今回は「2025年度のデジタル投資の注意点」を解説する。 ■「デジタル一般人」に「デジタル投資」はわかりづらい
年が明けると、来年度予算の策定の最終局面を迎えて忙しいという方も多いと思います。 私も経営コンサルタントという仕事柄、秋口から1月の間には「来年度予算」に関する相談が増えるのですが、デジタル投資については毎年必ず話題に上ります。 特に予算策定を司る経営企画部門から「(予算申請されたデジタル投資は)本当に必要なのか?」「こんなに巨額が必要なのか? (もっと安く済む方法はないのか? )」といった質問を受けることがよくあります。
こうした質問は20年以上前からあったものですが、DXの流行に合わせて増加している感はあります。また、俎上に上がる金額も年々大きくなっています。 経営管理部門の人たちもそうですが、DX支援などを生業としていない「デジタル一般人」にとって、「デジタル投資」はわかりづらいのでしょう。 とはいうものの、在庫適正化や納期短縮のためのサプライチェーンマネジメント(SCM)システム、販売の新チャネルとしてのECのシステムといった「ビジネス側のリクエスト」から始まるデジタル投資の必要性については、一般人でも理解しやすいと思います。
悩ましいのは、その企業の業務内容に直接かかわる「基幹系システムの再構築や刷新」です。基幹系システムとは財務会計システムをはじめとした、販売管理、発注管理、在庫管理などのシステムです。 これらの再構築や刷新にあたっては、その必要性はもちろんのこと、なによりも投資額が巨額になるため、投資可否の判断に悩むのも当然だと思います。 ■「基幹系システムの再構築」で下手を打たないために 今回は「基幹系システムの再構築への投資」において「下手を打たない」ための方法を3つ述べてみます。