「年明け早々、頭が痛い…」2025年度予算「危険なデジタル投資」を避ける3つの“安上がり”な方法 年明けは「予算策定の最終局面」!注意点を専門家が解説
失敗しないポイント①問題がないなら、無理に「再構築」せず使い続ける 「巨額の投資をしてまで基幹系システムの再構築が必要なのか?」「これまでも問題なく動いているのならば、それでいいじゃないか?」という疑問が「デジタル一般人」から出るのは、当然といえば当然です。 基幹系システム再構築の予算申請での「必要性や理由」は、どの企業でも似たようなものです。 「業務効率化やデータ統合を進めたく、そのために基幹系システムを刷新したい」「業務効率化によるコストの削減を狙う『守りのDX』を推進するためには再構築が必要」といったものです。
以前の記事(100億かけても「DXの効果が全然出ない」3つの訳)で述べたように、これらの業務効率化やデータ統合において、ボトムラインへの効果を出すためには、同時に新事業の進出をしないかぎり、かなり難しいのが実情です。 業務効率化によって、確実にボトムラインに効果が期待できるのは、BPO事業者くらいのもので、それ以外は詭弁と言われてもしかたない状況です(少ないですがもちろん例外企業はありますが)。 こんなことを経営と議論していますと、「それでは、今のものをそのまま使い続けるのもありですね」ということになってきますが、これが第一の方法です。
特に問題がなければ、そのままでいいのです。 しかし、ここで一件落着とはならないことも、また多いのです。 「ソフトウェアのサポート切れでバージョンアップが必要というのが、どうも再構築の本当の理由にも思える」「(巨額の)投資を正当化するための方便で、(CIOは)『守りのDX』をくっつけているだけじゃないのか?」という話題へと、かなりの頻度で展開していきます。 このバージョンアップは、一般人には地味に見えますが、実はかなり対応に注意が必要となるトピックです。
■「ソフトウェアのバージョンアップ」とは? 基幹系システムはパッケージ・ソフトウェアを用いて構築されることが主流です。 なかでもSAP社のERPが世界で最大のシェアを有しており、国内でも大企業中心に2000社が導入しています。 ソフトウェアには(Windowsでご存じのように)サポートの期限があり、バージョンアップをすることが強く推奨されます。 ただ、期限が切れたからすぐに停止するわけでもありませんし、なによりも巨額の投資を伴うために、投資承認の獲得に悩む情報システム部門(そしてそれを支援するシステム会社やITコンサルタント)も少なくないといった状況です。