オリックスが繰り返す途中解任の黒歴史…効果はあるのか?
他球団の途中解任を見てみると2010年のヤクルトで高田繁監督が13勝32敗1分の成績で5月に途中辞任、後を受けた小川淳司氏が、59勝36敗3分の成績を残して、クライマックスシリーズ進出争いをするまで盛り返した例があるが、ほとんどのケースで効果は出ていない。 結局は、戦力であり、カンフル剤としての刺激や、“付け焼刃的“なフィールドマネジメントの効果が、ごく稀に生まれるだけという現実がある。それでも、今回、オリックスが思い切った人事策を打った理由には、その戦力が結果につながっていないというジレンマに加え、ファンへ球団としての企業努力を示す面もあるのだろう。 代行監督を務める中嶋氏は46歳までキャッチャーとしてプレー。日ハムでは、将来の幹部候補としてパドレスで指導者修行を行うなどの経験を持ち、現在、ファームで首位争いをするなど、球団は監督としての素養に期待を抱いている。 今季のオリックスの敗戦には、守備や走塁のミス、自滅パターンが目立つ。失策「34」はリーグワーストである。元西武、ヤクルトで監督を務めた広岡達朗氏の言葉ではないが、「ミスを減らすのは監督、コーチの徹底した指導、教育」である。その意味で、コーチもごっそりと変えたオリックスの方針は間違っていないが「野球の質」を変えるには、時間が必要で、上が変わってすぐに効果が出るほど単純な問題ではない。 2002年以降、18年間で12人の監督を代え、巨額を注ぎ込んでの大型補強を何度か仕掛けながらも、8度の最下位を含むBクラス16度という長期低迷が続いているオリックスが、なすべき抜本的な改革は、監督のクビをすげ替えることだけではないことは明白なのだが…。